ブランド名を会社名にする意味が、よく分からない
長谷川:社名は「ウツワ」というちょっと変わった名前ですね。ブランドやサービスの名前を会社名にするところも多いと思うのですが。
ハヤカワ:ブランド名を会社名にするというのは、正直よく分からないですね。
会社名をブランド名にすれば、自己紹介のときに楽、とか、ブランドを覚えてもらいやすいという話も聞きますが、不利な場合のほうが多いような気がしています。
とくに学生ベンチャーは、サービスを立ち上げてもすぐ潰れてしまったりと流動的です。もしサービスが潰れたとき、社名がサービス名と同じだと、会社も解散しなきゃいけないような雰囲気になってしまうんじゃないかと思います。
サイバーエージェントも、社名はアメーバではないですよね。後から社名を変えればいいかもしれませんが、変えるのにお金もかかりますし、手続きも必要ですし、わざわざ同じ名前にしなくてもいいかなと。
長谷川:「ウツワ」という名前には、どんな意味があるんですか?
ハヤカワ:まさに「器」なんですよ。サービスやブランドを入れる器が法人なのかなと思います。
長谷川:器。
ハヤカワ:そもそも、私が会社をつくった理由は、リスクヘッジという部分が大きくて。私は、ブランドやサービスなどすべての権利、例えば「シンデレラバスト」や「GOMI HAYAKAWA」という言葉の商標などを、個人ではなく会社に帰属させています。そうすると、もし何か問題が起こったときに、私個人に責任がこないんですよ。いろいろな人の意見を集めてこうなりました。
長谷川:僕は、独立前に知り合いの法務の方に、これからのことをいろいろ相談したら「長谷川さんは1年以内に事件を起こすかもしれませんね」と言われたので、とても参考になります。無視されるよりは、賛否両論ある問題作をつくりたいと思っているので、そういう守り盾は大事ですね。