ギークピクチュアズ 平牧和彦さん
—ご自身の受賞作品について教えてください。また、どのようなポイントが評価されたのでしょうか?
今回制作した作品「BPM」は、一定のリズムで生活している大学生の話です。劇中のほとんどでメトロノームのクリック音が鳴り続けていて、それに合わせて自分のリズムで生活する自己中心的な主人公を描いた物語です。
脚本の段階では、この舞台設定が評価されたと思います。出来上がった映像に関しては、編集やギミックについて評価していただけたことが多かったです。実際に、冒頭のメトロノームの説明カットや、編集・MA作業にはかなりの時間を費やしました。一定のリズムをキープしたまま物語として成立し、なおかつ5分の尺を飽きさせないようにするバランスを見つけるまで、オフライン作業を繰り返しました。
—アドフェストで学んだことは何ですか?
ニューディレクター部門に参加してみて、思っていたよりもさまざまな方に作品を見ていただき、意見をもらえたことが良かったと思います。海外の目線で意見をいただけたり、普段映像を扱っていない方からの感想をいただけたりなど、会社の中だけでは聞けないようなことが多かったです。
映像以外の旬な広告表現を一度に見ることができたのも刺激になりました。映像はさまざまな要素が入るメディアだと思っているので、映像以外の素晴らしいコンテンツから自分の引き出しを増やすことができたと思います。
また、同世代のディレクターと交流することができたのは嬉しかったです。ファビュラス・フォー参加者はもちろん、現在活躍中の20代ディレクターの話を聞いたり、情報交換することができたのは貴重な体験でした。
—アジアで日本の広告が評価された理由について、どう考えますか?
他の国の映像も、もちろん素晴らしいものは多かったのですが、現地で感じたのは日本の広告はユニークで笑えるものが多く、それが評価されていた印象があります。授賞式で日本の作品が流れると会場全体で笑いが起こることもあり、国を超えて作品が受け入れられていることが伝わりました。企画が斬新かつ、ストーリーの起承転結がわかりやすいので、どの国の人が見ても面白いと感じるようなものが強かったと思います。
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