デジタル戦略を成功に導く4つのポイント
古市氏は、前出の「統合デジタルマーケティング」を成功させるためのポイントとして、次の4つを挙げる。
(1)ビジネスゴール視点
「“バズる”動画をつくる」「CTRの上がるバナーをつくる」など、施策ありきの単発施策を実施するのではなく、集客・売上などのビジネスゴールから逆算して、コミュニケーションファネルのフェーズごとのKPIを設定、それを達成するための具体的な施策を企画・実行する。
(2)オウンドメディア中心のUX設計
リアルな顧客行動データを自社内に蓄積することができるオウンドメディアは、デジタル時代のマーケティングに不可欠な「顧客目線」のコミュニケーションを実行する上で重要なメディア。
ともすると、生活者をオウンドメディアに「連れてくる」という発想になりがちだが、オウンドメディアはデジタルマーケティングの「ゴール」ではなく「中心」と捉えるべき。
オウンドメディアを中心としたオンライン/オフラインにまたがるコミュニケーションをカスタマージャーニーとして描き、設計することで、顧客のリアルな行動データ取得と精度の高い仮説立てが可能となる。
(3)データドリブンマーケティング
適切なタイミングに、適切なチャネルで、適切なコンテンツをターゲットに届ける。自社保有データのほか、IDPOSデータ、位置情報データ、サードパーティーデータなどを掛け合わせて分析・活用することで、精度の高いコミュニケーションが可能になる。
(4)生活者発想のクリエイティブ企画
データを基に描いたカスタマージャーニーを踏まえ、ターゲットやタイミングに合ったメッセージを届ける必要があり、そこではクリエイティブのアイデアとテクノロジーをかけ合わせることが求められる。真に人を動かす手法・表現を生み出すためには、「生活者インサイト」を把握・理解する必要があり、それはオウンドメディアを中心に蓄積されるデータからも、読み取ることができる。
デジタルマーケティングは既存の組織・資産で実行できる
これらは、同社がデジタルマーケティングの実行支援を行う中で見出だし、実践してきたことばかり。統合デジタルマーケティングセンターの設立を機に、博報堂アイ・スタジオが考える「統合デジタルマーケティング」のポイントとして体系的にまとめた。
オウンドメディアマーケティング、データドリブンマーケティング、コンシューマーインサイト、UXデザイン、クリエイティブ……各領域を専門とするプレイヤーは数多くいるが、すべての領域を網羅し、関連部門を束ね、プロジェクト全体を遂行できる人材はそう多くない。
「そこを担うことができれば、クライアント側が既存の組織体制を大きく変えることなく、また多くの企業がすでに運用しているオウンドメディアを有効活用しながら、真の成果につながるデジタルマーケティングを実行できるはずです。『その施策は、ビジネス課題をクリアするための施策になっているか?』が明確に問われる今、ブランディングと両立しつつ、戦略立案からコンバージョンまで、デジタルマーケティングの川上から川下までをトータルで手掛けてきた当社が果たせる役割は大きいと感じています」と古市氏は話した。
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