デジタルを手段に使い人の力を最大限に生かす
加藤:ベネッセさんの場合、新しい挑戦に積極的でありながら、テクノロジーに頼りすぎることなく、あくまでデジタルは目的を達成するための手段であるという理解がある点も、強さの秘訣のひとつと思います。
橋本:社長の原田も時代に合わせた変化をする必要はあるけれど、創業の理念・志は否定すべきでないと話します。一人ひとりの「よく生きる」を支援するというスローガンを掲げ、人を大事にしてきたベネッセの理念をデジタルという手段を使い、現代にどう実現させるかを常に考え実行しています。
加藤:橋本さんは、部内の人の育成・マネジメントにも多くの時間を割かれていますね。
橋本:どうしたら一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮しながら、個別最適に陥らず、チームに貢献できるようになるか。そのマネジメントに一番、心を砕いています。組織が巨大化すると、各部門が自分の売上目標のためだけに動いてしまいがちです。その垣根を取り払い、互いの知見・ノウハウを共有できる組織にすることが必要不可欠です。最近はデジタルのチームが自主的に勉強会を開催し、互いの成功体験や外部のセミナーで聞いてきた事例を共有し合っています。最終的な数値成果だけでなく、こうしたプロセスも積極的に評価し、波及させていく支援をしています。
加藤:どの企業でもデジタルシフトの必要性は感じていても、なかなか実現できない。社内にドライブをかけられるリーダーがいないと、決して変われないと思います。ベネッセさんの場合は、橋本さんがビジョンを掲げ、力強くその旗振り役を担っていらっしゃるので、デジタルシフトが進んでいると感じます。また我々のようなパートナーを上手に活用してもらうことも、成功に向けてのひとつの秘訣かと思います。
編集協力:アイ・エム・ジェイ