WOWOWのCMの音楽を沖さんに依頼したことも
権八:お二人はお仕事も一緒にされたり。
澤本:そうそう。まず僕からお願いしたことは、昔WOWOWのCMをつくってたじゃないですか。それで曲をつくりたいというときに、おきんきんに頼もうと思って、編集したものをおきんきんに見てもらったのかな。コンテを見てもらったのかな。これで曲をつくってくれと言って、つくってもらったことあるの。
中村:えー、いいですね。
沖:面白かった。ちょっと時代劇調のやつがあったでしょう。
権八:あー、黒沢っぽい。
澤本:そう、時代劇のWOWOWのCM。90秒の、モノクロので。あれ、どうしたらいいのかなと思って、おきんきんに頼んだらつくってくれて。だから演奏はスカパラのみんながしてくれたの。
権八:あれ、そんなにスカっぽい曲でしたっけ?
沖:あれはすごい“いなたい”メロディで、僕も黒沢さんをイメージしてつくったりして。澤本がはじめて仕事をするときに、音楽がついてない状態のCMや映画をまず見せてくれて、音楽というのはこれだけ意味があって大事なんだと。音楽がつくことによって変わる、ということは澤本に教えてもらって。あ、なるほどなと。言葉じゃない部分を担うんだろうね。
澤本:教えたというか、お願いするときにね。本当にCMは音楽で印象がかなり違うから。同じセリフのものを書いても、どういう音楽を当てるかで、比べてみると全然違うCMになるよね。
沖:それで言うと、『スターウォーズ』で初めて試写をやったときに、音楽のない状態で見た出演者と関係者の誰もがこれはポシャると思ったらしくて。その後、ジョン・ウィリアムズの音楽がついたときに、監督のルーカスがハグして、よかったと。それはわかるよね。あの音楽なしじゃダメだもんね。
澤本:あの音楽なしだと、なんかぬいぐるみがただ暴れてるだけの。
一同:笑
沖:猿の着ぐるみがガシャガシャ言ってるだけという(笑)。
権八:大ファンだからこそ言えるアレですね(笑)。
沖:そう。あと『未知との遭遇』っぽい感じのやつも。あれもWOWOWだったかな。
澤本:WOWOW。あれもお願いした。
権八:えー、そうだったんだ。聖路加タワー(注:電通が現在の汐留の本社ビル以前に入居していた築地のオフィスビル)にいた頃ですよね。全然知らなかった。
澤本:それが面白くて、普通の音楽屋さんに頼むのと曲調が違うのができてくるのよ。その頃から、忙しくなければ本当にやってる人に頼んだほうがいいなと思って。
権八:でも、本来であれば、東京スカパラダイスオーケストラに頼んだら大変なことじゃないですか。それが、おきんきん、さわーの関係で、触り合ってる関係で(笑)。
澤本:あのさ、順番を間違えるとやばいから(笑)。
中村:澤本さんが詞を書いた曲もあるんですよね。
沖:そうなんですよ。沖祐市のソロ名義で『Gospel』というタイトルのアルバムも出してまして、いろいろな方に歌ってもらってるんですけど、その中に1曲、ハナレグミに歌ってもらった『青いライオン』というタイトルの曲があります。これは曲タイトルも詞も澤本に書いてもらったという。
中村:超豪華ですね。
権八:これは先にメロディがあったんですか?