予防医療にかける熱い思い。予防医療普及委員会「ピ」の活動とは?(ゲスト:堀江貴文さん)【前編】

ガンは“家系の病気”ではなく感染症だった!

堀江:テレビCMを見ていても、病気になった後の商品や民間療法っぽい感じの商品が埋め尽くしていて、これって変なんじゃないかと思ったんですね。もともと医療系でビジネスを何かやりたくて、模索して、僕にピッタリのが見つかったのが予防医療でした。たとえば、ガン保険と言ったら、ガンになった後ですよね。でも、本当はガンにならないほうがいいわけじゃないですか。

澤本:もちろん。

堀江:あと、入れ歯安定剤のCMなんかも、歯周病になって、歯が全部抜けた後の話ですよね。でも、入れ歯にならなければいいわけですよ。テクニカルにそれは可能です。年に最低2回は歯科医院に行って、歯をクリーニングしてもらわないと歯周病になるリスクが非常に高いんです。

澤本:逆に、2回行けばリスクが相当減るということ?

堀江:というか、基本的に歯周病にならないですね。予防にお金と時間をかけようと生き方を変えると、病気にならないので医療費もかからないじゃないですか。健康保険制度の悪いところは、3割負担ぐらいだからみんなとりあえず病院に行っちゃえという感じがある。

あれは負の側面だと思うんです。国民健康保険は素晴らしい制度だと言っているけど、医療費を減らすためには予防できる病気がたくさんあるということをみんな知ろうと。そもそも、ガンは遺伝性の病気だと思ってますよね。

権八:そう言われてますね。「ガンになった人が家系にいますか」と聞かれますもんね。

堀江:ガン家系やたばこを吸う人はガンになると。そっち系の話ばかりみんなしますよね。もちろん遺伝性のガンはあるし、たばこは肺ガンのリスク要因ではあるんですけど、じつは多くのガンは感染症だったということをみなさん知らないですよね?

澤本:えっ、ガンが感染症? 風邪などと一緒ということですか?

堀江:ウイルスや細菌の感染症であるガンがかなり多いということをみなさん知らないですよね。

権八:えー、知らないです。本当ですか?

堀江:そうなんですよ。これは僕たちが最初にやるプロジェクトなんですけど、今、エビデンスがあるだけで、胃ガン患者の99%以上はピロリ菌の保菌者ということがわかっているんです。ヘリコバクター・ピロリ菌という胃に寄生する細菌の保菌者。

澤本:99%ですか?

堀江:99%以上です。これは国際的な機関が胃ガンとの相関性が非常に高いと認定しています。まず胃ガンや十二指腸ガンは感染症ですね。多くのガンは予防できたり、感染症対策をすればよかったりということがだんだんわかってきていて、それをより啓蒙させようと。なる必要のないガンになるのはやめようというキャンペーンです。

澤本:知ってるのと知らないのとでは大違いですね。

堀江:大違いです。そこで正しい知識を身に付けてもらいたいですね。たとえばピロリ菌に感染してることがわかっても、ヨーグルトを飲んで治そうとするとか。

それでは細菌はなくならないので、抗生物質を適切に飲んでくださいねと。何年間かは胃が荒れている状態が続いて、胃ガンにかかりやすくなるから、定期的に健康診断を受けてくださいと。これをいちいち言うのは大変なんです。非常に大変な作業ですが、これをやることにでガンで死亡する人を減らせる、というか、なくせる。そこまでもっていきたいなと思っています。

澤本:ピロリ菌ってどういう検査で検出できるんですか?

堀江:呼気や血液でわかるし、尿や便でもわかります。

澤本:大変な検査をしなくてもわかるんですね。

堀江:尿はじつは血液を漉している、濾過しているものなので、血液のようなものなんですよ。だから、尿でだいたいなんでもわかります。ピロリ菌保菌者の場合は、尿に出てくるので、お医者さんに行って胃の内視鏡をやってくださいという話になるんですけど。

権八:ピロリ菌って結構な割合で日本人が持っていると言うじゃないですか。

堀江:そうですね。全人口で言うと半分以上。

中村:僕は予防医療委員会「ピ」のメンバーなので、ピロリ菌にだけは詳しくなりました。50代、60代以上の保持率が非常に高いんです。

澤本:ということは、どこかで増えていくということなの?

次ページ 「予防医療普及委員会「ピ」によるクラウドファンディングとは?」へ続く

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