“食のDJ”を目指すTEAM WAGYU MAFIA
権八:ここまで聞いた限り、堀江さんの医療系の知識はすごいですね。
中村:いつこんなに調べたんだと。お忙しい方が。
堀江:結構好きなんですよね。医療系も好きだし、そういうものにすぐ興味をもって調べちゃうので。あと、食のイベントもやってます。
権八:あぁ、「WAGYU MAFIA」。
堀江:TEAM WAGYU MAFIA。これもちょっとみなさんのお力を借りてね。
中村:あれは何なんですか?
堀江:和牛の良さを世界に広めるユニットで、音楽ユニットみたいなものですね。僕は音楽業界をずっとベンチマークしています。なぜかというと音楽業界が一番イノベーションのスピードが早いから。最初はレコード盤だけど、アナログ盤からいち早くデジタル化したわけですよ。CDの後にいち早くiPodみたいにネットのダウンロード配信をはじめたじゃないですか。それに従って、パッケージが売れなくなったから、ライブビジネスにシフトして。これも同じ値段でただチケットを売るんじゃなくて、プレミアムシートという概念とグッズを入れて。さらに今は定額制になって。
中村:サブスクリプション。
堀江:サブスクリプション課金も。今、音楽業界で一番稼いでいるのはDJです。DJは曲をPCの中に1億曲持っていたりして、その曲を全部聞いたことがあるわけですよね。音楽をつくる技術的なハードルはどんどん下がっていて、今やボカロがいるからボーカリストもいらないぐらい。そうなってくると、音楽をつくる付加価値すらもどんどん落ちる。
そこで力を発揮するのはキュレーターで、DJは音楽のキュレーターなわけです。これが遅れて他の業界で起こってくるんですよ。僕は「テリヤキ」という食のキュレーションアプリをつくって、年間500食ぐらいしている食の変態たちを30人ぐらい集めて、キュレーションメディアをつくったんですね。全世界の2千店舗以上の行くべきレストランをリストアップして。行かなくていいレストランは行く必要がないから書かないと。
澤本:なるほど。
堀江:料理人は自分で料理しているからあまり人の料理を知らないんですよ。だから意外とイノベーションが進んでいなくて伝わるのが遅い。だから、僕たちがそれを手助けしてあげようと。僕たちは食のDJだと。こういう食べ方をしたらおいしいんじゃないかと、どんどん提案していって。そうするとたぶん食の業界でスターになれると思うんですよ。今一番稼いでいるDJみたいな感じにおそらくなっていく。
それでなぜTEAM WAGYU MAFIAかと言えば、和牛が素材として一番わかりやすいからです。牛肉あるよ、ビーフあるよ、と言うとみんな喜ぶんですよ。肉会をやると、みんな行きたいとなるし、何かのパーティで肉がバーンと出てくると、一番先になくなる。
澤本:確かに喜ぶもんね。
堀江:肉だー、みたいな。これ世界共通なんです。今、世界の肉のトップブランドって和牛ですよ。だから、僕たちはわかりやすく和牛でいこうと。それでTEAM WAGYU MAFIAをつくって、世界で活動するイベントSUPER WAGYU SUMMITをやったりして、ワールドツアーをやろうと。たとえば、イタリアのアルバという白トリュフの聖地があるんですけど、期間限定の和牛トリュフ祭りをやろうとか。
権八:うまそう(笑)。楽しそうですね。
堀江:そういうイベントをどんどん企画していって、TEAM WAGYU MAFIAに入ったら最先端の和牛料理食えるぜ、みたいな。そこにテイラー・スウィフトが入ったりしたら楽しいじゃないですか。ハリウッドでもバーッと広まるので。世界最高峰の和牛ユニットがTEAM WAGYU MAFIA、和牛マフィアファウンダーみたいな。そんなことを考えています。
権八:それもいろいろなところでやってるんですか?
堀江:SUPER WAGYU SUMMITは今度シンガポールでやります。2デイズ、SUPER WAGYU SUMMIT、inシンガポールですね。
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構成・文 廣田喜昭