刑務所の中では勉強が忙しくて、時間がなくて大変だった
中村:極端に言えば、僕らと同じベースから宇宙事業をはじめたということですよね。
堀江:そうですね。僕はソフトウェアのプログラマだったんですけど、ソフトウェアのデバッグとハードウェアのデバッグって一緒なんですよ。この間もレギュレータという空気圧を調整する装置がぶっ壊れて、なんで壊れたんだろうと。実験中に壊れて緊急停止して、あーでもない、こーでもないと可能性を絞っていくと、たぶんこれだねとわかって。だから、対策はこれだと。それがブツか、ソフトウェアのコードかの違いでしかないので。
澤本:なるほど。
堀江:やってることはそんなに変わらないです。
権八:それはどこでやってるんですか?
堀江:東京と北海道に工場があって、打ち上げや実験をやるのは北海道ですね。
中村:すごいとしか言いようがない。
権八:この『本音で生きる』にも書かれてますけど、ロケット工学をもともと勉強されていたわけではないのに、興味をもつと自然とのめり込んで勉強するから、どんどん。
堀江:そうですね。楽しいですよね。知ること自体が。
中村:没頭が楽しいみたいなことが、『ゼロ』にも書いてありましたね。
堀江:そうですね。没頭を楽しく思えるかどうかは1つのポイントなんじゃないですかね。
中村:ずっと没頭している状態になると、楽しくなりますよね。
堀江:どんどんプロジェクトが立ち上がってますけど、何がよかったって、たくさんの面白い人達に出会えることですね。今日もお三方のプロフィールを見る限り、聞きたいことがいっぱいありますもん。このearth music&ecologyの仕掛けが大好きで。あのアプリは結構遊びましたよ。
権八:ありがとうございます、なんですけど、残念ながら僕あれには関わってなくて(笑)。でもあれはヒットしましたね。
堀江:ヒットしましたよね。
中村:リスナーというか、いちホリエモン視聴者として聞いてみたいのは、収監されて、入って出てから心境や心変わりすることはあったんですか?
堀江:僕の中では完全に終わってるので、今となっては、みたいな感じはしますけどね。唯一面倒くさいと思うのは人集めですね。特に技術者人材。自由に使えるリソースがないというのがめちゃくちゃストレスですね。
中村:ライブドアのときは上場もしていたし、お金もあったから技術者を集めやすかった。
堀江:そう。自由に使えるお金と人材がいなくなったのが。お金は集めればいいけど、人材は簡単に集まらないので。10年かけてせっかく積み上げたのにみたいな。
中村:優秀な技術者を。
澤本:それが一回ポーンと。
堀江:いなくなったから大変ですよ。ロケットの会社、大変ですもん。僕はちょっとそのへんは甘かったというか、要はパブリックカンパニーの社長をやっていたので、株主に対して最大限のリターンを返さなければいけないと真面目に思っていたから。事件があって、僕はシェアを18%しか持ってなかったから、何も言えないですよ。何の影響力もなくなっちゃって、またイチからこれをつくるのかと。そこが唯一ですね。だから今回は株主構成にしても何にしても全部ガッチガチにしてあります。またそんなことをやってる時間的な余裕はないので。
中村:やっぱり収監されていたときは、ちくしょう、なんで俺だけがと。
堀江:僕は収監されることが決まるまでは、収監された後のことは考えずにいましたし、収監されてから考えはじめましたね。とりあえず1年9カ月はいなければいけないから、何をしようかと。ここでしかできないことをやっちゃおうと思って。とはいえ、情報収集は続けていたので、毎週膨大な数の雑誌と本を読んでましたね。寸暇を惜しんで。テレビも見れるので時間はなくて大変でしたね。
澤本:逆に時間がなくて大変だった。へー。
堀江:めちゃくちゃ中で忙しかったですよ。
一同:笑
澤本:勉強に忙しかった?
中村:そんな人、聞いたことないな(笑)。