日本の広告会社が真のグローバル企業として世界と渡り合うために何が必要ですか?

グローバルイシューにチャレンジしてこそグローバル企業

海外展開する広告会社は、地域ごとに現地でのクライアントの課題を解決することが使命です。しかし、真のグローバル企業は、これに加えてグローバル企業でなければ取り組むことができない地球規模の課題(グローバルイシュー)に常に注目していると感じています。

かなり前からカンヌなどの広告賞でソーシャルグッドの作品が多くエントリーされ、高い評価を受けているのはご承知の通りで、取り上げられるテーマは、環境、貧困、銃規制、ドラッグ、人権など実に幅広いものです。真のグローバル企業といえる広告会社は、そのような問題に取り組むことに自らの存在意義を見いだし、クリエイティブの力で世界を変えていこうというパッションに溢れていると思います。

TBWAの例を挙げさせていただきますと、昨年、アメリカとキューバの国交が回復されたことに着目し、アメリカ人観光客がAirbnbを利用することで本当のキューバを体験できることを印象づけるキャンペーンを実施しました。

米国人観光客にキューバでの民泊の門戸を開いたAirbnbのポスター

また、先月の国際女性デーでは、女性の問題は皆の問題であるということをテーマに、広告業界の女性の生の声を男性が代弁するビデオやポスターを制作、ソーシャルメディアなどを通じて、広告業界全体に問題提起をしました。

TBWAが「女性の問題はみんなの問題」と訴えた国際女性デーのムービー

真のグローバル企業になるためには、自社や担当クライアントの課題だけでなく、常に世界全体の問題に目を向け、それを広告、コミュニケーションの力で変えていこうというパッションが必要だと感じています。

このように、拠点同士がネットワークとして有機的に機能する組織と、世界の問題にチャレンジしていこうとするパッションの2つを持つことが、日本の広告会社が真のグローバル企業になるために必要なのではないかと思っています。

そして、その両方の根幹となるのが、当然のことながら人、つまり人材です。

次ページ 「箱だけ作っても無意味、真のリーダー育成を」へ続く

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Advertising Week Asia 2016
Advertising Week Asia 2016

博報堂 長谷部守彦

D2C 宝珠山 卓志

博報堂ケトル 嶋浩一郎

松田康利事務所 松田康利

ぐるなび 藤田 明久

Taro & Company 児玉太郎

TBWA\HAKUHODO 佐藤雄三

電通 頼 英夫

ツナグ 佐藤 尚之

イグナイト 笠松良彦

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