貢献の見える化「CLUBPanasonic」
部門ごとに行っていた顧客サービスを一元化し利便性向上を図りたい。こうした課題から07年にパナソニックが立ち上げた会員サイト「CLUBPanasonic」について、CRM推進部部長の中村愼一氏が講演した。
販売への貢献を目的に主軸に置いたのは、①愛用者登録をした人へのアンケートによる商品力強化②コミュニケーションによる継続的関係づくり(宣伝・販促活用)③ネット経由の顧客サービスのワンフェイス化の3つ。
「ファンを集め、育て、良質な顧客へ成長させることに注力し、コンテンツ企画を随時見直すなど、PDCAサイクルを絶えず行い、販売への貢献を見える化してきた。設立当初は『商品開発』、翌年から『商品認知』(顧客とネット上でつながる)、そして13年からは『商品体験』(リアル上でつながる)として、会員限定の体験イベントを開始。15年には『商品購入』(CLUBPanasonicコインというポイントサービスでつながる)へと進化させた」と中村氏。
同クラブは総会員数810万人を突破し、日本の企業サイトで最大規模に成長している。
共創できる仕組み「ネスカフェアンバサダー」
単なるコーヒーメーカーではなく、消費者に新しい価値とコーヒー体験を提供したいと09年カフェマシン「ネスカフェゴールドブレンドバリスタ」を発売し(15年夏には300万台突破)、「ネスカフェアンバサダー」を広げてきたネスレ日本。セミナーでは、Eコマース本部部長の津田匡保氏が登壇した。
少子高齢化と人口減少が進む中、成長機会を家庭外へと移し、11年末からバリスタのオフィス向け無料レンタルをスタート。「おいしいコーヒーと一緒にコミュニティに笑顔を届けたい、という思いを託せる人を『ネスカフェアンバサダー』と命名し、職場(コミュニティ)においしいコーヒーと笑顔を届ける大使の役割をお願いし、継続的にサポートしている」と津田氏。
開始2年でアンバサダーは20万件を突破。あらゆるタッチポイントから声を集め、次の開発に活かす。
「本当に望まれるサービスはお客さまと一緒にしか生み出せない。愛されるブランドは、face to face、体験、感動が重要。機能的な価値・メディアコミュニケーションだけでは作れない」と指摘した。
「旅のチカラ」=リアル体験をCRMに活かす
パナソニック、ネスレ日本の事例に共通するのは、リアルな体験を顧客と共有することによって、結果的にロイヤルティを高めているという点だ。「体験」か「モノ」かの二択の場合、8割の人が「体験」を選ぶと言われている。
「JTBグループの強みである旅のチカラ(=リアルな体験)を、顧客との良好な関係性づくりに活かしてほしい」とJTBベネフィット営業本部長市川正資氏は、締めくくった。
CRMにこそリアル体験を!
JTBグループでは、法人の顧客のCRMをサポートするため、「リアルな体験」を顧客と共有するさまざまなノウハウを培っている。
顧客が「日常生活で使うサービス」や「ポイントサービス」に加えて、法人と顧客のコミュニケーションを深める「イベント」や記憶に残る「旅」による展開など多様な手段を提供して、きめ細かなカスタマイズを行うことで、商品・サービスの差異化につながる法人オリジナルのCRMを支援している。
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