海外でフリーランス・アーティストとして生きるには。スズキユウリさんの仕事論。

川島:このコラムを読んでいる人の中には、いつか海外でチャレンジしてみようと考えている方も多くいます。ユウリさんの海外生活の率直な感想を聞かせてください。

ユウリ:やはり英語が扱えるようになって、情報の幅は確実に増えたと思います。それまでは日本語に訳されるのを待たないといけなかった。あとは細かいニュアンスがどうしても翻訳の段階で失われてしまう。それが直接生のまま享受できるようになったことで見聞を広められたという感覚はあります。それにありきたりかもしれないけど、いろいろなバックグラウンドの人と知り合う機会があるのはやはり海外にいる醍醐味だと思います。やっぱり一対一で直接話すことでしか得られないものってあると思うんです。


“Pain is inevitable. Suffering is Optional”
「痛みは避けては通れないものだけど、それを苦しいと思うかは自分次第(オプショナル)」

ちょっとしんどいなと思った時に、僕が思い出す格言です。村上春樹の著書「走ることについて語るときに僕の語ること」でも扱われたので、もしかしたら耳にしたことがあるかもしれません。

フリーランスとして生きていくのは人並み以上の行動力と、そして強い精神力が必要です。今ある仕事をこなしながらも、同時に次の仕事を見つけてくる。そしてすべてを現在進行形でまわしていかねばなりません。

「なんとなく、なりゆきで。」

ユウリさんは謙虚にそう答えられていましたが、ましてやそれを海外でやろうというのは並大抵のことではありません。「自分が成長するためにはどうすればいいか。」これはこのコラムを通じた一つのテーマです。安全地帯に身を置かないで、あえて自分を困難な環境に持って行く。そうすることで成長せざるをえない状況に自分を追い込んでいく。そうした態度は、分野を問わず第一線で活躍している人に共通することではないかと感じました。

険しい道を歩むのには必然と痛みが伴います。ただそれを「苦しい」ととるか、それはあくまで本人次第。
Suffering is Optional.

この度の熊本を中心とした震災に被害にあわれた皆様、心よりお見舞い申し上げます。私自身も九州にはたくさんの親戚が住んでおり、そしてつい数年前に訪れた阿蘇の変わり果てた姿に、とても心痛めております。大好きな九州、そして熊本の一日も早い復興を、また被災された皆様に一日も早く平穏な日々が訪れます様に、心より願っております。

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川島 高(アートディレクター)
川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

Facebook: https://www.facebook.com/takashi.kawashima
Twitter: https://twitter.com/kawashima_san

川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

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