「どうせ、また、覚えなきゃいけない言葉がひとつ増えるだけでしょ」とインナーブランディング作業でのグルインの際に言われた一言が本当にショックだったという。以来、現場の社員にとって、少しでも意味のある仕事になるよう、経営者、経営企画、広報、人事はもちろん、現場の声にもなるべく多く耳を傾けたと語る。
1「現状把握(課題発見)」2「目標設定(ビジョン)」3「具体策」と作業の段階をしっかり整理してプランニングする。
1、2の土台ができ上がれば、おのずと3の具体策の質は上がる。特に2のビジョンの策定について、詳細に解説。社員も納得し、彼らが未来に向かって走りだせる言葉(ビジョン)の事例を挙げた。
正しいけれど当たり前すぎるビジョン。長くて頭には入らないビジョン。言葉遊びに終始しているビジョン。いかに形骸化したビジョンが多いか、また、そうなってしまいやすい意思決定プロセスにおける原因について解説した。
産業編集センターによる第2部は「戦略的ブランドロードマップの描き方」をテーマにワークショップ形式で進められた。約300社の社内広報媒体を手がける同社がインナーブランディングのポイントを解説したのち、仮定のケースをもとに参加者がアイデアを出し合い議論が繰り広げられた。
理解から行動に導くための3つのステージ
インナーブランディングを「経営方針(理念)が約束する内容を社員が主体的に実践できるよう、働きかけること」と定義した上で、インナーブランディングには会社と社員が掲げる未来へのビジョンのベクトルを同じ方向に向かせることが欠かせないと指摘した。
その勘所は、「会社のビジョンを社員に腹落ち」させること。そのためのステップとして、ビジョンを社員一人ひとりに1、認知させ、2、理解を得、最終的には実際の業務の中で3、行動実践させる3つのステージがあると説いた。
そして、これらのステージごとにコミュニケーションプランを立てることが、インナーブランディングの計画を立てる際のフレームワークになると解説した。
こうしたポイントを踏まえ、ワークショップでは参加者4〜5人が一つのグループとなり、インナーブランディングに課題を抱える架空の企業を想定して、アイデアを出し合いながらコミュニケーションプランを考えた。
第2部のまとめとして、産業編集センターが実際にインナーブランディングのサポートを手がけた企業のケースについて紹介。実際に何を課題に掲げ、最終的にアイデアをどのようにアウトプットさせたかについて解説した。
今回のセミナーは参加者をマネジメント層に限定して実施した。終了後の懇親会でも参加者同士が現場の課題について話し合うシーンが見られた。
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