Data & Journeys からLightning Experienceへ
カスタマーの時代は、セールス、マーケティング、カスタマーサービスのすべてが繋がっていなければならない。顧客からすれば、各部門と接しているわけではなく、その会社と接しているからで、フェイスブックやインスタグラムなどとも一環した形でつながっていて、満足のいくコミュニケーションを求めている。
その課題を克服するために、新製品発表された。Lightning Experienceと総称され、具体的には4つの製品だ。
- Marketing Cloud Lightning
- Email Studio
- Advertising Studio
- Marketing Cloud Mobile App
これらの製品群を使った事例が紹介された。
事例1)Fanatics(ファナティクス、スポーツ用品製造・販売)
要点は、下記の通り。
・e-mailマーケティング以上のもので、単なる帽子やTシャツといったスポーツ用品販売を脱し、顧客と深い関係性を構築する。
・顧客によってスポーツの趣味趣向は違うが、個々人にパーソナライズしたe-mail配信を実施。(Email Studioを使用)
・こうした取り組みで、ジャーニーを顧客と一緒に行くと考えている。
・5人のマーケターで年間40億のe-mail、2700のキャンペーンを行っている。シンプルで皆が使えるように設計されており、何千時間、18ヶ月のユーザーテストを行っている。
・重要な事は、パーソナリゼーションのためのデータサイエンスが組み込まれていることで、しかもマーケターの手元に組み込まれている。
・1ドルの投資に対して38ドルの投資対効果があった。シンプルでスケーラブル。
・Marketing Cloud Mobile App で、マーケターはスマホで仕事ができるようになった。トラッキングやキャンペーン展開ができる。スマホから、マーケティングが展開できる。これは、新たなマーケティングの手法と思われる。
・e-mailは誕生してから、40年が経過した。お客様のエンゲージメントNo.1(最も身近で効果的なアプローチ方法)で、最も重要と思われる。
・Advertising Studio を使用して、各個人に送るメールを、興味がある内容にカスタマイズ。予めテンプレートを用意しておき、それをドラッグ&ドロップの簡単な作業で作成する。
・ある水曜の夜、NFLの試合が11時30分に終わった後に、パーソナライズされたe-mailを自動配信。その結果、25.3%のクリック率で、パフォーマンスが真夜中にも関わらず、非常に良かった。
事例2)Capital One(キャピタル・ワン、スモールビジネスを対象とした金融機関)
・Advertising Studio を使って、毎日、顧客のデータをリフレッシュしていく。
・サードパーティのデータも使う。例えば、Facebookを使って、ローカルキャンペーンを行っている。その際、タッチポイントデータが、統合・連携されたセールスフォースのシステムに入るため、同じ広告が繰り返されることはない。
・旅行に興味をもっているということであれば、旅行を差し上げるプロモーションを展開することができる。レジャーマガジンの購読者など、ターゲットを絞ることができる。
・ジャーニーの一部であるが、お客様が問題を抱えている時、e-mailをストップしなくてはならない。ジャーニーを自動化する(ジャーニービルダーの一部)ことによって、それが可能となる。(Sales Cloud +Pardot;B2B向けマーケティングオートメーションで実施)
・具体的には、データ規制が金融機関は非常に厳しい。いろいろなところで、断絶が起きる。例えば、CRMと広告との間での断絶。その際、お客様にリーチしてはいけないときがあること、それに気づき、一時ストップするなどの措置をとることが可能となった。
最後に、基調講演の中ほどで、下院議員の JOHN LEWIS氏が登壇した。同氏は、公民権運動の指導者で、アトランタ出身のマーチン・ルーサー・キング・ジュニア氏(キング牧師、1964年ノーベル平和賞受賞)との出会いから、インスピレーションを受けて活動を始めた人物。スコット・マッコークルCEOと、テクノロジーが社会に与える影響などについて対談をし、終了後は、スタンディング・オベーションに包まれた。