目標設定はできるだけシンプルにしようと思った
五味田:「量的な目標」と「質的な目標」の2つを設けました。まず、最初に心がけたのは、どちらもできるだけシンプルな目標にすることでした。と言うのは、新しいことを始める時に、たくさんの指標を作ってしまうと、後々分析した時に、「これは結局どうなんだろう」という話になりがちだからです。
まず「量的目標」ですが、こちらは「アンバサダーの人数」と、発言がSNSに載った時の「広告換算金額」の2つの指標を設定しました。1000人の登録を年間目標にしていたのですが、1年ちょっとで3500人まで増やすことができました。これは誘導に予算をかけたこと、「オールブラン」とアンバサダープログラムの親和性などが相まって得られた数字だと思います。「広告換算金額」も計算して立てた当初の金額をクリアすることができました。
次に「質的な目標」ですが、これは商品的な課題だった「おいしさ」と「効果効能」に関するクチコミ量の増加を目指しましたが、これもアンバサダーさんの非常にパワフルなクチコミによって多くの感想が生まれました。
それらの目標がクリアできて、さらに売り上げが上がったということになります。
藤崎:ケロッグさんでは調査を重視されているとお聞きしましたが。
五味田:はい。新商品を作る時も普段のマーケティングでも何度も念入りに消費者調査をおこなう社風があります。その意味では、実際の消費者であるアンバサダーのみなさんの話を直接聞く機会を持てるようになった価値は大きいです。
藤崎:調査に厚みがでますよね。
五味田:私たちには、一番重要なのは消費者であるという考え方が定着しています。いわゆるコンシューマーインサイトをしっかり掘り下げていこうということで、マーケッターの私見よりは、消費者の意見が重視されます。
ですので、イベントでお話をお聞きできたり、調査への協力で座談会に参加してもらえたりするアンバサダープログラムは、この面でも社内の評価が高く、今後も継続していくべきだという根拠の1つになっています。