アンバサダープログラムを取り入れて売り上げ25%アップの成果(日本ケロッグ)

生の意見が重要。すごく実感がある。

藤崎:私自身もマスマーケティングをやってきましたが、アンバサダーの人たちの発言は、今までのユーザー調査とは全く違う印象ですよね。

五味田:その通りです。アンバサダーさんの声にはすごく実感があり、とても生っぽいのが特徴です。そのリアルな声は一般的な「ユーザー調査」からは得られない説得力に満ちています。実際の生活体験に基づくご意見がとても参考になります。アンバサダーさんの記事から「これはすごくいい」と、参考にさせてもらった表現もあります。

また、一般的なユーザー調査と大きく違うのが、そもそもブランドのファンとしてのご意見だという点です。みなさんとてもブランドのこと考えてくださっていたうえでの意見ですので大変貴重です。

他には例えば、こちらから聞かなくても、「こういうレシピを考えたんですが、どうでしょうか」と言ってくれたり、プロモーションのアイデアを提案してくれたり。ブランドの今後を考えてくださっている方々と一緒に動いているという一体感があります。

藤崎:いわゆるパートナーというか、企業とユーザーの新しい関係ですよね。

五味田:そうなんです。ですので、最近はアンバサダーイベントが近づくと、社内では「次はこういうことを聞いてみようか」とか、「今ブランドが抱えている問題を相談してみよう」などという話になります。実際に、アンバサダーのみなさんはアンケート用紙にすごく一生懸命に書いてくれます。その一枚一枚に貴重な情報が詰まっていますので、それを読みながら私たちも「では、こういう風にしていこうか」という参考にしています。

藤崎:本当に熱心なんですね。

五味田:アンバサダープログラムに1年取り組んで、ファンの方々が、すごく意欲的・情熱的で、予想していた以上の質の高い情報を発信してくださることがわかりました。
そうした情熱にこたえるためにも、例えば今後のイベントでは、もっと深い情報をお伝えしてもいいのではないかと思っています。

例えば、弊社ではさまざまな専門家による第三者機関を組織しており、年数回、専門的なリリースを出していますが、今後は、そうした先生方をアンバサダーイベントに招き、食物繊維に関する科学的な話や、お医者様からの医学的な話をもらい、より深い情報を発信していくというのもありかな、と考えています。

藤崎:今後の課題について教えてください。

次ページ 「1年目の成功を受けて、お母さん向けプログラムを開始」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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