One to One マーケティング、成功の秘訣は「早く失敗すること」

事例1)オンスター社(GM子会社で、コネクテッド・カーを手掛ける)

オンスター社が最も優先する価値は、安全と品質である。では、どうやって差別化するかと言えば、顧客に焦点を当てることである。顧客は、何が必要なのか、何をして欲しいのかと考える事で、 コネクテッド・カーを発明した。ただ、その際には、いろいろなテクノロジーを必要とし、それらは簡単に使えるものではない。そこで、セールスフォースのプラットフォームを使い、セールス、マーケティング、コミュニティが一体化したものをつくりあげた。

展示会場内では、実物によるデモンストレーションが行われていた

燃料を買う、車を運転して食事にいくことなど、顧客が何をしているか、迅速に理解することができる。セキュリティだけでなく、それ以上のものを提供することが可能となったのだ。コネクテッド・カーは、テクノロジーが重要だが、1対1での顧客との関係性を築いている。

年齢、クルマの診断情報、天候、時間などから予測し、顧客に対して、脈絡のあるオファーをすることがJourney Builderで可能だ。ダンキンドーナッツのオファーを例にとれば、オファーを出したが、誰が使っていないのか、見ることができ、プッシュ通知や広告といった、顧客のパスをJourney Builderで知ることができる。顧客データは、セグメントすることがAudience Builderで可能となり、Email Studio でダンキンドーナッツのオファーをつくっていく。e-mailに広告をつけると平均22%のコンバージョンレートがアップしており、非常に効果的だ。

ダンキンドーナッツのオファー

コネクテッド・カーのディスプレイにダンキンドーナッツのオファーが送られてきた様子

GMオンスター・コンシューマーオフィサーのマークロイド氏は、こう語る。「20年前から、e-mailキャンペーンをしてきた。しかし大きく異なるのは、製品が多様化してきたことだ。保険、物理的な店舗、金融機関の紹介など多岐に及ぶ。そのような状況では、少人数のグループに対して、頻度をあげて接触していかなければ成果はあがらない。実のところ、自動車の使用目的で最も多いのは、買い物にいくということだった。つまり、マーケティングオートメーションをどう使うかが問題だったのだ。その際、自動車のダッシュボードに適切なコンテンツをだすということが重要で、それは即ち、ターゲットをしぼるということに他ならない。いろいろなオプションを、ユーザーは運転中に見ることができない。絞り込むことが必要となっている。」

次ページ 「事例2)ウェイトウォッチャーズ社(ダイエット支援サービス)」へ続く

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