今や3人に1人はフリーランス。アメリカでフリーランスが多いワケ

平均転職率は4年に1度

また転職が多いのもアメリカにおける雇用の特徴の一つです。(むしろ日本社会が世界標準に比べると転職率が著しく低いと言えるかもしれません。)別のForbesの記事によるとアメリカで1つの職における平均的な勤務年数は約4年だそうです。こと広告業界、特にクリエイティブ職においては、肌感覚としては確実にもっと短く、10年間同じ会社で働くとWow!と言われる世界です。ちなみに社会に出て初めて就く仕事のことを英語では「First Job」と言います。「First」と言うところから、キャリア設計に転職が前提とされていることがわかると思います。

僕が10年前に働いていたCrispin Porter+Boguskyの当時のクリエイティブ・ディレクターの集合写真。ここに載っている全員が Crispin にもういません。転職が激しいアメリカを象徴しています。ちなみに手前の全身タトゥーの強面CDは、クライアントとの打ち合わせがある日は真夏でもタートルネックを着ていました(笑)。

そもそもなぜアメリカでは転職が多いのでしょうか?その理由の一つとして、ビジネス運営の考え方の違いが挙げられます。

アメリカでは一般的に「今いる社員でどうビジネスを回すか」というよりは、「今あるビジネスを回すために、どうポジション(社員)を埋めていくか」いうビジネス主導の考え方で人事が決まってきます。ですので空いているポジションがあれば積極的に人を採用しますし、また常に即戦力をリアルタイムで雇うことが前提です。なので採用のオファーを受諾したら、余程のことがない限りすぐに就労することが求められます。入社は1年後の春に、などということは一般的にはありません。ですからヘッドハンティングも盛んですし、自然と転職の機会も多くなります。

次ページ 「決して安泰でない正社員」へ続く

前のページ 次のページ
1 2 3 4 5
川島 高(アートディレクター)
川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

Facebook: https://www.facebook.com/takashi.kawashima
Twitter: https://twitter.com/kawashima_san

川島 高(アートディレクター)

1981年生まれ。慶應義塾大学卒業後、2004年に渡米。文化庁が主催する新進芸術家海外研修員として、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) にてメディアアート修士課程修了。アーティストとして作家活動を行う傍ら、アートディレクターとしてAKQAなどの広告代理店にて活動。日本人として初めてGoogleのクリエイティブラボに参画。サンフランシスコ在住。

Facebook: https://www.facebook.com/takashi.kawashima
Twitter: https://twitter.com/kawashima_san

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ