手を動かすと、新しい顧客視点のコンセプトが見えてくる
大きな環境変化の下、どうすれば競争力のあるマーケティングを実施できるのでしょうか。その実現を助けてくれるのが、書籍のテーマである「カスタマージャーニー」の概念です。カスタマージャーニーとは、顧客行動を旅にたとえた言葉で、ブランドや商品を認知・購買・再購入する段階で、ブランドが提供する接点を行き来する一連のプロセスを意味します。
競争のルールが変わったのは、消費者が変化をしているからに他なりません。これまでのように、企業視点で「商流」を見るだけでは、現在の環境下で競争優位性はつくれない。そこで今、カスタマージャーニーに対する注目が高まっているのです。カスタマージャーニーを考えると、顧客視点に立った、自社の競争力を高める道筋も見えてきます。
著書の中では4つのステップで、カスタマージャーニーをつくるプロセスを紹介しています。最初のステップでは、現在の顧客接点を洗い出し、顧客の気持ちや行動を可視化したカスタマージャーニーマップを作成します。顧客行動を整理し、現状を把握した上で、これから進むべき理想の姿とのギャップを認識します。
ステップ2では、新しいカスタマージャーニーコンセプトを考えます。
現状と理想のギャップを埋めるために、「つながり」、「質」、「量」のフレームワークを使って、競争の軸を見直します。他社より優位に立てるコンセプトの発見がゴールになります。
ステップ3では、新しく考えたコンセプトをもとに、カスタマージャーニーマップを描き直していきます。新しい顧客接点の追加、機能していない施策の改善など、判断を下していきます。
最後のステップ4では、特に有効な顧客接点を、最新のマーケティングテクノロジーで強化します。描いたアナログのカスタマージャーニーにデジタルで命を吹き込み、少人数のチームでも数10万から数100万の顧客に対して、価値を届けられる施策を検討します。
プロセス解説だけでは、具体イメージが抱きづらいかもしれません。
そこで、本書にはダウンロードして活用できるカスタマージャーニーアイコンを200点以上、収録しています。実際にカスタマージャーニーを描く際に、競争の源泉となるのは、「店舗内、店舗外、人生という3つの時間軸でとらえたジャーニー」や「顧客と共に成長するジャーニー」など、どのようなコンセプトでジャーニーを描くという点です。そのヒントは、30社のコンセプトのパターンが与えてくれます。
『The Customer Journey』を手に取って、実際に顧客視点のマーケティングを実現するためのアプローチをマップに描いてみてください。マーケターの皆様にアクションを取っていただくための工夫を加えていますので、思考と技法を身に着ける一助にしていただけたら、と思います。
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