「UFOを見たら真っ先にツイッターで報告します」
野口:はい。いると思いますよ。この広い宇宙の中で。我々が見ること、知り合うことはないかもしれないですけど、地球型生命体に近いような生物がいる星もあると思いますし、あるいは我々が全く想像もつかないような形の生命体。そういうものがいる星もあるんじゃないかと思います。
澤本:UFOをご覧になったことはないんですか?
野口:よく聞かれるんですけど、見てたら宣言します。見たら僕が最初にツイッターで宇宙人の存在を証明する人間になります。必ず“いの一番”でツイッターに出しますね。「宇宙人を見た」と(笑)。逆に言うと、まだそれを見た人がいないので。
澤本:仲間内で、「俺、見たんだよ」と言う人はいないんですか?
野口:いないですね。ただ、これはジェネレーションの違いがあると思うんです。我々の世代は子どもの頃にテレビで宇宙人の話をよくやってたじゃないですか。でも、今はない。だから、ちょっと下の世代になると、遠くの知らない星から宇宙人がやってくることよりは、100年先の同じ人類がタイムマシンで来るほうがリアリティがあるんじゃないですかね。
だから、タイムマシンのほうがずっと近い。まさにドラえもんがそうじゃないですか。100年後の人類が来たら、我々から見たら宇宙人みたいに見えるんじゃないですかね。空中を浮かぶ、一撃で岩を崩すレーザービームとかつくってそうですよね。一晩で暗記ができる「暗記パン」があるかどうかは知らないですけど(笑)。
中村:さてさて、これが放送されている4月2日。4月からじつはJAXAの野口聡一さんはNASAに行くんです。NASAの野口さんになると。これはどういうことなんですか?
野口:日本でもいろいろな仕事がありますが、宇宙に行くという挑戦の前にはNASAにあるジョンソン宇宙センターというところで、ちゃんと訓練をしないと宇宙での仕事に差し障りがあるだろうと。もちろん、みなさん日本にいても訓練はちゃんとしてますし、私も日本でも一生懸命訓練をしてるんですけど、アメリカのNASAという環境で、また1から鍛え直して、次の宇宙に挑んでいきたいと思ってます。
中村:何か特別な訓練があるんですか?
野口:1つは宇宙遊泳、船外活動ですね。あれをやるためには巨大なプール、小学校の校庭ぐらいあるんですけど、そういう巨大なプールに宇宙船の模型を沈めて、その中に自分もスキューバみたいな感じで、専用の水中訓練用の宇宙服を着て入ります。浮力を使って、プカプカ浮いてる状態が無重力に近いので。それで6時間ぐらいぶっ通しで水の中で訓練をします。そういう訓練はNASAに行かないといい訓練ができないですね。
<後編(5/24公開予定)につづく>
構成・文 廣田喜昭