《4章》
いま、興味があるのは“場づくり”。
—阿部さんが今いちばん興味あることは何ですか?
今は“場づくり”ですね。
昨年から、宣伝会議のコピーライター養成講座「先輩コース」の講師を務めることになったり、横浜みなとみらいにある街のコミュニティスペースBUKATSUDOで「企画でメシを食っていく」という講座も立ち上げたり。そこで、人の心に火をつける場づくりを意識しています。
具体的には、どうすれば人の「変わりたい」という気持ちから、「変わる」まで到達するのかということですね。心に火をつけて、自走していくにはどうすればいいんだろうと考えていて、今そこにとても興味がありますね。
—自走させるって発想は、すごいですね。
昨年「先輩コース」に通っていた近藤雄介君が、自分で企画して、早慶戦のポスターを作ったんです。彼を見て僕は気付かせてもらったんですけど、自分で種をつくって、自分でそれを育てて、花を咲かせるという成功体験を、たとえ小さくてもその人自身で経験すること。つまり、火の熾し方を自分で身につければ、きっと次も、自分で火をつけることもできて、走り出せると思ったんです。
—早慶戦のポスターの取り組みは情熱がすごかったですね。
講義をしてて思うのは、人からもらった勇気や希望って、もって3日なんです。「やる気出ました!私もやります」と言っても、次第にみんな現実に引き戻されてしまう。3日じゃなく、1週間、1か月、1年、クラスが終わったその先も、自分で火をつくれるようになっていって欲しいなと。
企画で何かを変えてみたい。そう思う人が増えるだけで、世界の何かが変わるとちょっと大げさですが、本気でそう思ってるんです。