2016年4月2日、タカラトミーの「人生ゲーム」が8年ぶりにリニューアルして発売された。これに先立ち、1月に公開されたキャンペーン動画「人生ゲーム 人生に驚きと歓びを篇」はTwitter上で瞬く間に拡散され、スタートからわずか2週間で再生回数1,000万回を突破した。空港の荷物受取口のベルトコンベアを「人生ゲーム」に見立て、旅行者が荷物を受け取るとマス目に書かれたサプライズが次々に仕掛けられるこの動画は、「数多く存在するTwitter上の動画広告の中でも非常に優れたパフォーマンスを発揮」(Twitter Japan オンラインセールス アカウントエグゼクティブ 斎藤有人氏)というほどの成果。そのタカラトミーの取り組みについて、担当者である次世代マーケティング室WEBマーケティング課長の竹川洋志氏、同課の齋藤陽介氏、Twitter Japanでタカラトミーのサポートをする斎藤氏に聞いた。
情報発信の場としてTwitterを活用
タカラトミーの前身となる株式会社トミーは、1924年に創設された富山玩具製作所を始まりとする玩具会社の老舗だ。そして2006年、世界一の玩具メーカーを目指して同業のタカラと合併し「タカラトミー」が誕生した。これまでデジタルマーケティングをあまり活用してこなかったという同社。しかし、この1〜2年の間に方針が変わった。
「お客様ともっと繋がろうと加速度的な方向転換があり、SNSなどを積極的に使い始めました。そのタイミングで立ち上がったのが次世代マーケティング室です。弊社は、『リカちゃん』なら『リカちゃん』、『トランスフォーマー』なら『トランスフォーマー』と、プロダクトやジャンルごとに企画・開発・マーケティング・生産などお店にお届けする一歩手前まで縦串で物事が動いています。そこにWebを中心とした新しいマーケティング手法を横断的に活用できるような体制を整えようと、次世代マーケティング室が立ち上がりました」(タカラトミー・竹川氏)
次世代マーケティング室のスタッフは15名。ECやオウンドメディアの運営をはじめ、ソーシャル上でコミュニケーションを取りながらブランド価値を高めていくためのあらゆるミッションを託されている。
そうした中、主に情報発信の場として活用しているのがTwitterだ。
「Twitterから発信された情報が話題になって他のウェブメディアに掲載されたり、テレビなどマスメディアにも取材されたり、露出の機会を増やすことを期待しています」(タカラトミー・齋藤氏)。
現在、タカラトミー公式アカウントを中心に、「リカちゃん」や「トランスフォーマー」などジャンルごとに全16アカウントを運用している。
「公式アカウントのようにプロモーション要素を意識したもの、ファンの醸成や拡大を目的にしているもの、お客様のお声を確実に拾っていくものなど、アカウントごとに目的が微妙に違っています」と竹川氏は話す。
特に情報発信のメインとなるタカラトミー公式アカウントを担当しているのが齋藤氏だ。
「公式アカウントでは、企業の広報アカウントなのに私が好きなアーティストや日々の食事まで投稿しています。こういったやり方が企業アカウントの運用では旬かもしれません。このようなスタンスは社内では理解されているような、されていないような状況です(苦笑)」(タカラトミー・齋藤氏)。