8人でとことん話しあった、「ゆるさ」という課題
渡辺:普段はすごく仲が良くて、キャーキャー大騒ぎしながら、ゆるい雰囲気しか見せないエビ中の皆と接することが多いですが(笑)。昨年末、さいたまスーパーアリーナのライブを見に行った時、ものすごく感動したんです。あの8人のどこに、これだけ多くの人を熱狂させるエネルギーが潜んでいたんだろうって。そのギャップが面白いなと素直に思ったんだけど、普段のゆるい感じは意識してそうしているの?それとも、ありのまま?
廣田:良くも悪くも、それがナチュラルなんですよね(笑)。今回の春ツアー中、ダンスの先生やボーカルの先生に、そのエビ中のゆるさについて「いろんな面でメリハリをつけたほうがいいよ」って、かなり厳しく指摘されたんです。実はそれ、私の中でもずっと気になっていたことで。フワフワしているのもいいんだけど、そのせいで、あと一歩届かない場所があるなって、ずっと引っかかってた。今は、ゆるい部分を許してくれる人しか周りにいない。ファミリー(※エビ中ファンの呼称)もそこが好きだって言ってくれてる。でも、それが甘えだと思っていて、このままじゃ行き詰まりそうだなって。だから先生に「私も思うことがあるんです!」って話しに行ったら、じゃあ、メンバーで意見を合わせる時間をつくろうということになって、8人で2時間近く話し合いました。
真山:それは、私の中でも気になっていた部分で。エビ中って社会人の私がいて、高1のカホちゃん(小林歌穂)とリコちゃん(中山莉子)がいる。そういう年齢差がある中で、自分が思っていることを言わずに、皆が皆、誰かに合わせてた。その結果が、今のゆるさにつながっていると思うんですよ。これまでエビ中の良さでもあった、ゆるーっとした部分は、自分たちを守るための壁だった。でも、それを取っ払った今、私たちはもっと上にいけるんじゃないかなって思います。
廣田:違う場所から、違う性格の子たち8人が集まっているわけで、気を遣ってないようでやっぱり遣っていた部分がありました。でも今回、しっかり話し合ったことで、自分の思っていることを、もっと言ってもいいんだって、全員が思えるようになった。昨日も最年少のリコちゃんから、「ここのフリ、間違ってるよ」って指摘をもらいました。そういう指摘は、今までもしてもらいたかったんですけど、実はなかった。
真山:そうなの!? 成長した(笑)!
廣田:やっぱり、年齢や入った時期が違うと、なかなか言えないんですよね。でも、そういう壁を崩すための一歩が踏み出せたと思います。
真山:似た者同士の集まりなんですよね。皆が皆、同じことを思っているけど、臆病だから何か言ったら関係が崩れてしまいそうで、なかなか踏み出せなかった。でも、あいかが踏み出すきっかけをくれたんです。
廣田:意見を言うタイミングがなくて、だから8人集まるとふわふわと和やかな空気になるんだけど、ほんとは違うことを考えてるんじゃないかなって、ずっと感じてたんです。これからは、ちょっと風が変わりそうな気がして楽しみですね。
渡辺:皆、すごく優しいよね。でも、裏側に臆病さのある優しさなんだろうなって思いながら見てた。摩擦が起きるよりは、皆で楽しく過ごすことを選ぶ人たちだなって。でも、周りのスタッフに対する気遣いもすごくできるから、僕はエビ中のそういうところもすごく好きなんだけど、いつまでもそういう状態じゃいけないって気づけたってことだよね?
廣田:そうですね。良くも悪くも、内と外で変わらない。皆から見えている部分も見えていない部分も、全く同じなんです。でも、メリハリはつけないといけないと、あらためて思いました。