【前回コラム】「第4回「マーケティングオートメーションを検証して…本当にB2Bでもツカエルのか!?」」はこちら
向かう未来は、レベニューマーケティング?
今回で連載も最終回です。最終回のテーマは、B2Bマーケティングの未来。
先に結論を言ってしまうと、B2Bマーケティングは「レベニューマーケティング」に向かっていると考えています。
連載1回目で触れたようにB2Bの製品特性上、直接販売できない商材もありますが、Direct Webサイト(直販用のECサイト)の設置が一つの象徴。そのオペレーションはIT部門か、マーケティング部門が担っていることが多いでしょう。それのみならず、近年はマーケティング部門が自分たちで実施したキャンペーンで産みだしたオポチュニティーの中でも小型案件については、独自の販路で売り切ることが求められています。
B2Bマーケティングは普段、営業部門がタッチしにくいホワイトスペース開拓に意義があります。営業が未開拓の領域ゆえ、勝手に売ってほしいとも望まれがちです。中堅中小規模のセグメントをターゲットにしていればなおさらかもしれません。
それゆえ、自分たちでつくりだしたオポチュニティーが、どれくらいのセールスサイクルでいつ売上になるのか、フォーキャストしなければなりません。
それが、「レベニューマーケティング」です。
マーケティングオートメーションの出現により、ディマンドセンター設置が容易になったことも、こうした変化の理由の一つでしょう。セールス側から、マーケティングの売上貢献への期待はより高まっています。
マーケティングが独自で、売上を立てるには?
連載3回目で触れたように、インバウンドであれば、短サイクルで売上を立てられる商談を発掘できる可能性が高いので、セールスサイドの売上ターゲットにギャップがあるときこそ、ロングテールからのレベニューに期待されます。
インバウンドエンジンがすでに存在するのであれば、広告を追加投資し誘導を強化しさえすればパフォーマンスは向上するだろうとみなされます。
もう少し中期的な視野で「レベニューマーケティング」を考える余裕があるのなら、マーケティング部門としては、インバウンド一点賭けではなく、マーケティングポートフォリオを設定し、抜け漏れがないようにキャンペーンを配置するとよいでしょう。
- 従来から保有する社内リソースを活用しながらPushするアウトバウンド型
- 販売パートナーとマーケティングが協業し、社内リソースを介さず売りを立てるCo-Marketing(Co-Selling)型
- 直販型に近いInbound(ダイレクト含む)型
図で示したのは一例ですが、「アウトバウンド型」は時間がかかるもののボリューム(金額/数量)を取るのに適していたり、「インバウンド型」は少額/少数ながらも短期的にロングテールを獲得するのに最適だったり、「Partner Co-Marketing」型はその間に位置する...といったように、それぞれの特徴を理解して負荷を分散した方がより効果的です。