「中国ではため息をつかない」高速トライ&エラーで進行する中国テクノロジー革命 — 中国レポート上海編

上海:「ファーストフードの支払いから、昨日のビール代を友達に払ったり、病院の予約まで、お金は何でもすべてWeChat」

上海は父が働いていたので数年ごとに訪れているが、まず街がすっかりおしゃれになっている。

フランス租界(撮影:喜馬 克治)

街を歩くと、グッチの数件となりはグッチみたいな状況が続いている。なお、今回は近くの蘇州でも、アップルストアの数件となりにアップルストアがあるのを確認した。

テック・スタートアップ系のミートアップも盛んで、wiredcraftというデジタルブティック(ベルリンやワシントンにも拠点を持つ)のイベントに参加してみた。

作ったサービス・プロダクトについて意見交換。

プログラミング言語別のミートアップも行っており、コミュニティを広げている。

この写真のQRコードはWeChatのものなのだが、中国ではこのLINEのようなコミュニケーションアプリが数億人に普及しており、しかも決済などのインフラとして機能している。
このモバイルペイメント(フィンテック)の領域が特にこの国は進んでいる。

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ファーストフードはパネルで選んでスマホ決済し、カウンターで受け取る式。上海のあちこちで見かけた。

これは、いつものWeChatペイメントの様子をデモンストレーションしてもらったもの。(アートプロデューサーの鳥本健太さんありがとうございます)

アメリカでもVenmoなど同様のサービスがあるが、会話と決済が同じアプリ内で、コミュニケーションの延長線上で普通に行われているのが凄い。

革新的なサービスがどんどん実装されていっている。

こちらはアリババのペイメントサービス、Alipayのシュシュ。アップルのAirdrop同様、近くのユーザーにお金を渡すことができる。

ちなみに、今年の旧正月、スマホ メーカーのHuaweiがこのシュシュを使った大々的なTV×スマホプロモーションを展開。
「春晩」(日本における紅白)において、「紅包」=“お年玉”をシュシュを使い、約10億円配った。番組は生放送で6億9000万人、ネットで1億3800万人が視聴。ピーク時には1分間に約210億回ものシュシュが行われた。
日本からするとケタが全然違うし、なんでもありだ。

なぜ、ここまでモバイルペイメントテクノロジーが発展しているんだろうか?

その答えは「ノータブー」という国民性と「テクノロジー」の掛け合わせにあるんじゃないか。
やはり、この国の合理性、というか、メリットに向かって恐れずなんでも取りくむ風土がベースにあるのは強いなと思った。
中国で長く仕事をしている方が、「『性悪説」前提で進んでいる国」と言っていたが、
動かなったり間違っていることが前提だから、PDCAが高速に進んでいく。

こうした「あったら根本的に人の生活を便利にするもの」が急速に実現していく様子は、サンフランシスコ・シリコンバレーとも共通するワクワク感がある。

テクノロジー自体の新しさもあるけど、生活者、社会自体がそれを受け入れて新しい生活が生まれる風土・文化が重要で、そこに日本へのヒントもあるんじゃないだろうか。

次回は、深センについてレポートします。

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