同社のData Account Management Director, Greg Schwarzer氏、Head of Data Marketing, Randy Almond氏, Sr. Publisher Solutions Manager, 後藤和枝氏に、事業モデルとマーケティングへの活用について話を聞いた。
—最初にGnipの概要と役割について教えてください。
日々、Twitter上では世界中の利用者の皆さんがツイートを続けています。
ツイートの内容は製品やブランドから個人の興味など多岐に渡ります。Twitterデータは無限の可能性を秘めていると同時に適切な技術を利用して知見を引き出すことが不可欠です。ここにGnipの重要な役割があります。GnipはTwitterのエンタープライズAPIのプラットフォームです。そして世界のトップ分析企業へGnipのAPI製品のアクセスを提供しています。これらの分析企業は世界の大手顧客へ分析ソリューションを通じ知見を届ける役割を担っています。
—どのようにデータを提供されていますか。
私たちは、システムインテグレーターやアナリティックプロバイダと呼ばれる企業に対してITソリューションを提供する会社に当社の製品を活用していただいています。 日本ではNTTデータ、日本IBM、NetBase、Sprinklr、Crimson Hexagonなどのパートナーを通じ、企業のマーケティング部門などにデータを活用いただける仕組みを実現しています。
無料で数日分の一部データに限りアクセスいただける「パブリックAPI」も公開していますが、エンタープライズ向けの製品は過去にさかのぼり、すべてのTwitterデータにアクセスが可能で、なおかつ独自技術で大量のデータからインサイトを発見しやすい形で提供しています。
—具体的に企業に対してはどのような製品があるのでしょうか。
私たちの製品は大きくは3つのカテゴリで構成されます。
一つが「HISTORICAL」で、過去10年にさかのぼってデータの提供が可能です。当社は、Twitterが始まった時からのデータを全て保持しているからです。Twitterはリアルタイムに世の中の動きを知ることができるのが強みではありますが、過去から蓄積されたデータを分析することから得られる気付きもあります。
二つ目が「REALTIME」で、これはTwitterならではのリアルタイム性を生かした製品です。リアルタイムに投稿を分析し、今何が起きているのか、ツイートを基にその場、その瞬間で把握できるようなシステムです。この製品はマーケティングだけでなく、災害時の危機対応にも役立てられるものです。
三つ目が「INSIGHTS」で、これはオーディエンスを中心にデータを分析する製品です。ツイートには、それぞれの利用者の嗜好性が強く反映されます。Twitter上の特定のグループについて、その人たちの属性や志向性を細かく分析することが可能です。「INSIGHTS」は企業が自社の想定ターゲットについて、その生活スタイルを深く理解する上で役立つ製品です。また特定のグループを対象に広告を接触させて、その反響を見ながら、仮説を検証することなども可能です。
—言語の壁は、Twitterデータの解析のハードルにはならないのですか。
各言語に合わせた、高い言語解析の技術を持っていることが当社の強みです。
加えて、各国ごとのローカルのパートナーと組むことで、パートナー企業側が持つ言語解析技術も加わり、さらに高い解析の精度を実現しています。言語の違いは、大きな問題ではありません。
—日本のマーケットをどう見ていますか。
日本ではTwitterの利用者が2011年から2015年の間で約5倍に増えるなど、成長市場です。実際、Twitter上では日本語は英語に続き2番目によく使われている言語です。また、Twitterが米国以外で最初に立ち上げたオフィスは日本であるということからも、重要市場と位置付けていることがお分かりいただけると思います。すでに日本の利用者が大量の情報を発信しているということは、日本企業のマーケターの方たちが、そのデータを有効に活用できる土壌があるということです。
技術関係:http://support.gnip.com/
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