ラジオ番組を一社提供している狙いとは?
藤崎: 2014年4月から、TOKYO FMで一社提供のラジオ番組をお持ちですよね。その「スカパー!日曜シネマテーク(TOKYO FMをはじめとするJFN系列全国38局ネット)」について教えてください。
植田:「古きよき映画の素晴らしさを未来に伝えよう」というコンセプトで、ラジオ番組を提供しています。毎回、ゲストとして俳優や映画監督などが来て、マイベスト映画を語ってもらう番組です。ラジオですので、映画のあらすじや魅力がテーマ音楽と一緒に、耳からのみ入ってくるわけです。そうすると想像力がかき立てられ、紹介された映画が見たくなると評判です。
番組内で取り上げる映画は、実は放送予定のある作品なのですが、番組内で放送日の告知はしません。社内では「見えない導線」と言っており、気になった方がホームページで検索すると放送があることが分かる、というさりげないかたちでスカパー!の宣伝になればいいという意図です。
藤崎:「見えない導線」というのは、アンバサダープログラムの運営方針と似ていますね。アンバサダーとの取り組みはクチコミで、ラジオ番組はコンテンツという形ということですね。お話をお聞きしていると、スカパー!さんの「映画ファンの裾野を広げたい」という姿勢は一貫していますね。
植田:そうかも知れませんね。今は「毎月何本放送します」などと、放送本数やサービスのスペックを競ってもお客さんになかなか響かない時代です。そこで、いかにさりげなくお客さんとの関係をつくるかを大切にしています。
クチコミのための「継続性」と「タイムリー性」
藤崎:アンバサダープログラムの手応えについて教えてください。
植田:アンバサダープログラムは2014年から運営してきたので、徐々にノウハウが蓄積して手応えも感じています。こうしたユーザーとの関係構築は、おそらくまだ競合他社も取り組んでいないと思います。キーワードで重視していることを言えば「継続性」と「タイムリー性」です。Twitterでの投稿キャンペーンもイベントも、この2つを意識しています。
藤崎:映画部員とリアルに会うメリットもあるのでしょうか。
植田:彼らの知識量はWebでの交流だけではわかりませんので、顔を合わせる大切さを実感しています。参加された映画部の皆さんの満足度も高いようで、手応えを感じています。
先日のクリント・イーストウッド監督作品の試写会でも「スカパー!映画部」の皆さん同士での熱い交流がありました。作品に対する新たな気付きもあり、よい刺激を与え合う場になっていたようです。
こうしたイベントがきっかけで部員のクチコミが発生し、映画の提供元の専門チャンネルや配給会社へも好影響が生まれるといいなと思っています。
植田:「スカパー!映画部」は、スカパー!に加入済の方により登録してほしいと思っていますので、会員情報誌に積極的に掲載しています。加入者様向けに発行している「ヨムミル!」という会報誌にイベント後のレポートを載せるようにしています。