個別インタビュー「デジタルシフトは「目的」ではない。すべては消費者次第。」
Q. 消費者に寄り添うことが重要とのことでしたが、どのように消費者を知ればよいでしょうか?
A. デジタルデバイスの使用頻度が増えたことによって、 マーケターはより多数の消費者を知ることができるように なりました。テレビの時代は、基本的に世帯単位でしか消費者を知ることができなかった。しかし、今はワントゥワンマーケティングの時代。そこでは、いかにデータを取得し活用するかが重要です。データを通じて個人を知ることができたら、そのデータに基づいて個人と個人をつなげ、一定のボリュームを持つグループとして捉えることができます。グループは、「家族」を単位としたものだけではなく、興味関心や行動パターンなど、データを組み合わせることで、さまざまな切り口のものをつくることができます。
Q. デジタルシフトの重要性について、どう考えていますか。
A.企業がデジタルシフトをしなければならなくなった一番の要因は、スマートフォンの浸透です。「デジタル化」それ自体を目的にするべきではなく、消費者行動がデジタル、オンラインにシフトしているから、企業もデジタル化する必要があるのだという考え方が重要です。もし消費者がテレビや紙、ラジオなどを介してコンテンツに触れるならば、企業も それらを使って消費者とコミュニケーションをとればよい。彼らの変化に、我々はいかに反応するか──重要なのは、消費者にとって意味のある会社であり続けることです。
Q. 「消費者にとって意味のある企業」とは、どんな企業でしょうか?
A.テレビからデジタルへ、そしてその次は?その転換に、自社はどう対応していくのか?──それを考え続けられる企業だと思います。「消費者が何を必要としているか」と、「自社が提供しているものに価値があるか」。この2つをつなげるために、マーケティングがあります。