今年3月末にリニューアルオープンした、日清食品ホールディングス(HD)の社員食堂「KABUTERIA(カブテリア)」。自社の株価に連動してメニューが変化するというユニークな取り組みだ。
同社広報部によると、既に約2カ月間で70媒体から取材を受けるなど、メディアの注目度も高い。安藤徳隆副社長COOが自ら発案したという「株価連動型」の社員食堂だが、その裏には中期経営計画にある「時価総額1兆円」という目標があった。
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役員が割烹着姿で給食を配膳する「お目玉デー」
「KABUTERIA」では月末の終値が前月の平均株価よりも上回っていた場合、翌月にマグロの解体ショーなどのごちそうが振る舞われる「ご褒美デー」が、下回った場合は質素なメニューとなる「お目玉デー」が設けられる。
6月17日に行われた「ご褒美デー」では、社員の目の前でマグロの解体ショーが繰り広げられた。4月の平均株価5192円に対し、5月の終値が5560円と上回る結果になったため、社員への「ご褒美」としてマグロが振る舞われた。
一方、5月20・25日に行われたのは「お目玉デー」。昭和歌謡のBGMの中、執行役員宣伝部長の鈴木均氏らが割烹着姿で社員に給食当番さながら配膳する姿がそこにはあった。
広報部次長の大口真永氏は「もちろん株価は商品力や営業努力だけでなく、外的要因で上下することもある。社員の中には『そんなに簡単には努力が株価に結びつかない』といった閉塞感があったのも事実です。しかし、社員一人ひとりが株価への意識を高く持ち、挑戦を重ねていくことが重要」と語っている。
株価に対して社員の意識を高める工夫は日々の社内広報の活動とも連動しており、イントラネットのトップページでも株価情報を表示。年に4回発行する社内報でもカブテリアについて紹介し、周知を図っている。
詳しくは2016年8月号『広報会議』の特集「『戦略的社内広報』で社員が変わり、会社が変わる。」にて。
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