インスタジェニックを追い求める若者たちに「自分らしく」の声は届くのか

企業は「自分らしくいこうぜ」と主張しはじめている

日本ではまだまだInstagramブームで、インフルエンサーマーケティングも真っ盛りです。18歳で何千ドルも稼いだと言われる、Essena O’Neill(エセナ・オニール)のように、わざわざ自分の稼ぎ口を塞ぐ自己主張ができるインフルエンサーは出てこないと思います。それは、日本がまだインスタグラマーにとって、稼げる市場だということと、国民性の違いが挙げられます。

国民性の違いに関しては、周りの目を気にする、自己主張をしない国だからというところでしょう。インフルエンサーマーケティングの市場も飽和状態になってくれば、若いインフルエンサーが、こうした訴えを起こし、メッセージを発信してくれるかもしれません。

ここ最近で、SNSコンサルタントの私が、最も心惹かれたプロモーションが、Levi’s®の「#いいね不要」とサントリーの「やや充のススメ」でした。Levi’s®に関しては、「#いいね不要」というタイトルの通り「人の目や、いいねを気にして生きるなよ」という意図を込めた、メッセージ性の強いプロモーション。

サントリーの「やや充のススメ」に関しては、Instagramで加速している、リア充アピールを例に上げながら、「その生活疲れない?やや充(やや充実)でいいじゃない」というゆるっとした、タッチが印象的なプロモーションでした。両者とも共通して言いたいことは、「周りの目を気にせず、頑張りすぎず、自分らしくいこうよ」というメッセージだったのではないでしょうか。

企業やブランドによる、こうしたプロモーションは増えています。SNS上の自分を過剰に気にする若者たちに対し、「自分らしく」というメッセージを発信することは、イノベーティブな存在であり、素直にかっこいいなと感じます。

ただ企業やブランドが発信するのでは、一般ユーザーを巻き込むにも限界があることも事実。パワーのあるインフルエンサーが自分自身の口で、「自分らしくいこうよ」と語ってくれる日のことを、首を長くしながら待ちたいと思います。

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石井 リナ(BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント)
石井 リナ(BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント)

BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント
平成2年生まれ。新卒でオプトへ入社し、Web広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティング支援に従事。初のInstagramマーケティング書籍となる「できる100の新法則Instagramマーケティング」を共同執筆するなど、デジタルプロモーションを中心にセミナー講師としても活動を広げている。その後、リアルイベントにおけるSNSプロモションを行うSnSnap(エスエヌスナップ)にて、自身が編集長を務めるオウンドメディア「COMPASS(コンパス)」を立ち上げ、運営を行った。現在は起業し、女性向けエンパワーメント動画メディア「BLAST」の立ち上げ、運営を行う。学生時代より雑誌「ELLE girl」のラボプロジェクトにてリアルイベントの企画や運営に携わるなど、若年層マーケティングを得意とする。

石井 リナ(BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント)

BLAST Inc. CEO/SNSコンサルタント
平成2年生まれ。新卒でオプトへ入社し、Web広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントとして企業のマーケティング支援に従事。初のInstagramマーケティング書籍となる「できる100の新法則Instagramマーケティング」を共同執筆するなど、デジタルプロモーションを中心にセミナー講師としても活動を広げている。その後、リアルイベントにおけるSNSプロモションを行うSnSnap(エスエヌスナップ)にて、自身が編集長を務めるオウンドメディア「COMPASS(コンパス)」を立ち上げ、運営を行った。現在は起業し、女性向けエンパワーメント動画メディア「BLAST」の立ち上げ、運営を行う。学生時代より雑誌「ELLE girl」のラボプロジェクトにてリアルイベントの企画や運営に携わるなど、若年層マーケティングを得意とする。

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