この記事は、【いま、消費者を魅きつけるモノ・コト】を特集した『販促会議』8月号掲載の記事を抜粋再構成したものです。本誌では、以下の内容についても聞いています。
・うまくソーシャルメディアの波に乗るには
・消費者向けとメディア向け、両立のカギ
・「インフルエンサー」の関わりかた
・最終的なセールスにつなげるために
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Q. セールスを伸ばす上での、広報PRの役割とは何ですか。
A. 消費者の購買活動が社会的に承認される環境をつくることです。「この商品を買うことは正しい」「カッコよくてステキだ」とポジティブな評判を生む土壌をつくる。世の中を、商品の味方につけるんです。
Q. うまくいった例はありますか。
A. 「第3のエコカー」(ダイハツ工業)が例に挙げられると思います。当時エコカーブームとしてハイブリッド車の一人勝ちという状況でしたが、軽自動車も「元祖エコカー」と呼ばれる存在でした。
ハイブリッド車は、燃費は確かに良いが、価格面では手頃とは言えない。「エコロジー」と「エコノミー」どちらを求めるか、という関心が集まり出した時期だと思います。2011年9月発売の軽自動車「ミラe:S(イース)」は、既存のガソリンエンジンの性能を究極まで高めたもので、その燃費はハイブリッド車に拮抗するものでした。
「軽自動車でもガソリン(化石燃料)を減らしエコに貢献できる。おサイフにも優しい。そういう考え方もあるよね」という世の中の同意を得る。そうすれば「ミライース」の販売にとって追い風になります。
それを一言に凝縮したフレーズが「第3のエコカー」でした。このフレーズがあれば、メディアや人の口の端にも乗りやすく、「第3のエコカーに乗ることは正しいことだ」という意識を生みやすい。冒頭お話ししたように、商品を買うことがポジティブになる。
Q. イベントも、世の中から同意を得るのに役立ちますか。
A. 「消費者向けにイベントを開き、消費者に体験してもらう」「記者を招いたPR
イベントを開き、メディアの発信力を借りて、話題をつくる」という2つが考えられます。ただ従来、なかなか両立が難しかったと思います。
Q. なぜ両立が難しいのでしょう。
A. メディア向けのPRイベントは、メディアが報道しやすい内容であることが第一で、消費者の体験性に重きを置いてしまうと構成に齟齬を生じてしまいます。消費者の体験イベントだけでは報道する内容が薄く、そもそもメディアは取り上げません。目的を絞ることが重要です。
Q. ではまず、PRイベントに記者を招くにはどうすればいいでしょうか。
A. メディアの情報の選びの目は厳しくなっていることを念頭に置くべきです。メディアには、企業から1日に何百本ものプレスリリースが送られてきますが、広報担当者はただ送るだけではなく、「取材に来ると、こんな情報が得られる」「こんな写真、映像が撮れる」と、きちんと伝えねばなりません。
Q. メディアにとって魅力的な情報は、どう見定めればいいですか。
A. 番組や記事から逆算することです。自社に関係する情報が世に出た際、メディア各社がどう報道したか、どこに重きを置いたか。どんな情報を付加したか、などを分析します。
同じネタでも、経済番組や夕方のニュース、朝の情報番組では、切り口が異なります。メディアを横断して比較すると、各社の報道の特性が見えてきます。オンラインメディアならソーシャルメディアで広まりやすい絵が欲しい。それとテレビマンが追いかける「画」はまた違うわけです。
Q. すべて用意するのは大変そうです。
A. もちろん取捨選択はするべきです。まず外せないメディアを決めます。定番は業界紙誌でしょうか。そこから、アプローチしたいメディアを決める。業界の中で閉じていては、モノゴトは動きませんから、新規で関係を築きたいメディアを決めておくのは大切だと思います。
一度、前例が作れれば、自社発信の話題で報道された内容を分析して次回に生かせるようにもなります。
この記事は、【いま、消費者を魅きつけるモノ・コト】を特集した『販促会議』8月号掲載の記事を抜粋再構成したものです。本誌では、以下の内容についても聞いています。
・うまくソーシャルメディアの波に乗るには
・消費者向けとメディア向け、両立のカギ
・「インフルエンサー」の関わりかた
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