プロダクトデザインの元になる会社スローガン「アクセシブル」
CEOのJasenに「なぜこれほどクオリティの高いデザイン、体験を提供できているんですか?どんなデザインコンセプトがあるの?」と聞いてみた。
ジェイソン:「(ちょっと考えて)”アクセシブル”が会社のスローガン。すべての子どもたちが科学の心を持てることが会社のゴールで、そのためにプロダクトやデザインを設計している。例えばCodeybotは組み立て式のMakeblockとは違うラインだけど、アクセシブル、という視点では、もっとエントリー的な存在があっていいと考えてつくった。」
確かに「誰でもロボット開発にアクセスできる世界に」というビジョンがあると、デザインやUXに落とせば、わくわく、かっこいい、わかりやすい、といった視点が持てる。単に高クオリティなプロダクト・商品をつくろう、というだけでなく、その思想があるとユーザーも夢に乗りたくなる。
仲間が生まれていくコミュニティ設計
もう一つ、仲間が生まれるコミュニティ設計にもMakeblockは力を入れている。
プロダクトの楽しみ方の設計として、Makeblockの各プロダクトページ上でコメントできたり、フィードバックを受け付けたりフォーラムでアイデアを交換できる仕組みを設けている。
単なるパーツ屋さんではなく、組み立てていく楽しさ、同じ趣味の仲間と一緒に作っていく楽しさを、自社メディアでうまく展開している。
深セン流ハードウェアエコシステムを体現する「Seeed」
Seeedは、ハードウェアビギナー向けの工作キットから、よりプロフェッショナル向けの基板パーツを販売したり、ユーザーの設計データに基づいて基板を製造するサービスを提供する、makersのための会社だ。
主にはプロトタイピングのフェーズを提供しており、基板は、感覚的には日本で大企業向けに製品を提供する工場に頼む場合の10分の1以下くらいの価格帯だったので驚いた。
Seeedもまた、ユーザーがモジュールを買うだけでなく、どう使うか・作るかのレシピコミュニティに参加できるようにしている。
さらにお披露目の場として、深センにてメーカーズフェア(去年は20万人参加)を始めたのも彼らで、パーツだけでなく、楽しみ方や技術・プロダクトのレベルを上げていくステップ全体を提供していると言える。
そんなSeeedのエコシステムを林檎の木をモチーフに広報のlinさんが説明してくれた。
プロトタイプの段階では、モジュールが樹の幹として、やりたいことを育てていく。それがプロダクト=実になる。プロダクトが成熟したら、メーカーフェア等seeedsがサポートする場でプロモーションすることで、また栄養となって他のプロダクトの成長に返ってくる。
今回は時間の関係で往訪は叶わなかったが、深センには、ハードウェア・アクセラレータ、「HAX」(プロトタイプを世に出していく初期段階の支援ベンチャーキャピタル)や、makersのためのコワーキングスペースなども沢山ある。