権威にはなりたくない。等身大のデブでいたい
権八:行ってみて、どうだったんですか?
はっしー:勝手な先入観として、アメリカの豚はホルモン剤を投与していると思っていたんですけど、今は全く投与してなくて、ちゃんと健康的においしい豚をつくることを追求しているんです。ただし、工業生産物みたいな感じで、きっちりこの期間育てて、きっちり屠畜して、ちゃんと予定された量を出荷するという。工場がオートメーション化されて、考えも仕組みも全て工業生産物として捉えているような側面を感じましたね。
権八:なるほど。
はっしー:日本の農家さんは常に牛や豚と会話してるんですよ。
澤本:しゃべってるんだ!?
はっしー:はい、会話して、さすってあげたり、音楽を流してあげて喜ばせたりという農家さんもいるんですけど、全くそういうことがなくて。僕はアメリカの農家さんに「音楽をかけてストレスをなくすようなことはするんですか?」と聞いたら、「何言ってんだ、オマエ?」みたいな反応をされました。
権八:まぁ、向こうからしたらそう思うよね。そういうのを知らないんじゃない、日本ではこういうことやってるということを。
澤本:逆に言うと、音楽を聞かせたりすると、やっぱりおいしくなるの?
はっしー:おいしくなると言い切っている農家さんもいるけど、そこらへんは科学的には証明されてないですね。
中村:『美味しんぼ』みたいな話ですね。1人東西新聞みたいな。はっしーさんは30年後には海原雄山みたいな人になっている可能性ありますね。
はっしー:いやいや!
権八:そういう権威にはなりたくないわけでしょ? ならなそうな感じ。
はっしー:そうですね。等身大のデブでいたいなと。
一同:笑
中村:食べあるきオールスターズ「食べあるキング」というのもやってらっしゃると。これは何ですか?
はっしー:僕がつくったチームで、その道を極めているスペシャリストのフードジャーナリストやグルメブロガーを30名ぐらい集めました。ラーメンだったらラーメン王の石神さん、スイーツだったらスイーツ番長さんなど。僕は肉とご飯担当なんですけど、ジャンルごとに集めて、チームで総合力があるからこそ、もっとできるものがあると。合言葉は「食を通じて日本を元気に!」で、昨年は農水省さんとコラボしたり。澤本さんも来ていただきましたが、東京モーターショーでグルメ総合プロデュースをさせていただいたり。
澤本:モーターショーでは横にお店があったけど、うまいんだよ。ビックリした。ハンバーグがおいしくて。
権八:はっしーがお店をチョイスしたりして?
はっしー:そうですね。一緒にコラボメニューもつくったり。普段イベントに出ないようなお店も、そのとき「食べキン」さんからの依頼だったら出るよみたいに言ってくれるところもあったりして。そうやってみんなが生活者目線で、楽しくおいしく盛りあがれるような企画だと、もっと一般の人も巻き込んだものになるかなと。自分が1人の発信者だからこその目線を大切にしたいと思っています。
中村:最近、はっしーさんが気になっているお店は? 他ではあまり言っていない“隠しお店”みたいなのは最近あるんですか?
はっしー:どういう系がいいですかね?
権八:言うと、ちゃんと的確に当ててくるよ。
澤本:焼肉!