アンバサダーの意見を取り入れたサービス開発が目標
藤崎:現在の課題を教えてください。
千田:まだやれることはあります。アンバサダーの気持ちを理解した施策を、もう一ひねり二ひねりしていきたいと思っています。
個人的には、今後はもっとWebの会社らしい方法で、アンバサダーとのリレーションができればと思っています。オンラインの取り組みをもっと増やすことができれば、地方や、忙しくてイベントに参加できない方も関わることができるからです。実際、イベントに参加できる人は限られているので、どうしたら熱量の高い方々に今まで以上に参加してもらえるのか、オンライン・オフラインを含めたコミュニケーション施策を追加できたらと思っています。
藤崎:せっかく「goo」という自社メディアがあるのですから、そこを使って、『グランズウェル』の5ステップの第4ステップ目の「支援戦略」もできそうですよね。
千田:そうですね。例えばgooのサービスそのものについてのQ&Aのコーナーがありますが、そこで一般の方々から寄せられた質問に対して、アンバサダーの方に答えてもらうとかあるかも知れませんね。gooポイントが貯まったけど使い方がわからないとか、gooブログの機能や使い方がわからないなどの質問に対してです。
その発展型としてgoo全体の施策に関して、自社メディアを使ってアンバサダーのみなさんから、一般の方々へのサポートができればさらにいいですよね。もし実現できれば、理想的な「支援戦略」だと思います。
藤崎:アイディアとタイミング次第ですが、可能性はたくさんありますね。
千田:『グランズウェル』の5ステップ目、「統合戦略」もいつか実現したいステージです。今後、新しいサービスを提供する場合、内容やUIなどでアンバサダーの意見を取り入れることができればいいですよね。できるだけみなさんの思いは反映させたいのですが、技術的な問題もあり、全てのご意見を取り入れるのは現実的には難しいため、そこが悩みどころです。
藤崎:今後の抱負を教えてください。
千田: 2つの抱負があります。1つ目は、顧客満足度のさらなる向上です。今まで色々取り組んできたので、もちろん向上していますが、CSの取り組みに終わりはないということです。2つ目は来年3月の「goo20周年」に向けた取り組みです。
おかげさまで、gooは来年3月に20周年を迎えます。次の20年に向けて、アンバサダーの方々とどう交わりながら新たな価値を生み出していけるのか、まだ先は見えませんが、その実現に向けて進んでいければと思っています。
藤崎:今日は貴重なお話ありがとうございました。
今回のポイント
- 成果は「良い声」の継続的な増加
- アンバサダーは今後に向けた財産そのもの
- 新規事業の横展開でもアンバサダーが活躍
- アンバサダーの意見を取り入れたサービス開発が目標
今回のまとめ
今回、公表されたデータは大変参考になるものでした。ツイッター上で企業が「傾聴」や「会話戦略」を行い、さらに「gooアンバサダープログラム」を開始したことで、よい発言が増え続けているのです。これは「一部に対する何らかの取り組み」には、「全体に影響を与える牽引力」があるということです。また、ツイッター上の発言はアンバサダーだけのものではないので、まさに影響力が増幅していることがわかります。
新規事業に対してアンバサダーが行為的に応援してくれたのも納得でした。これはgooの特徴である「親しみ、温かみ」というキーワードのままに、gooがおこなう事業そのものに賛同の意を表すアンバサダーが多いとうことだと思われます。CSの取り組みに終わりがないというのも、まさにその通りです。千田さんとgooの取り組みには、これからも目が離せないと思いました。