データ保有企業の新ビジネス創出とマーケターの課題解決を両立
―GunosyだけでDSPを構築するという選択肢もあったのでしょうか?
長島:「Gunosy Promotion Ads」「Gunosy Network Ads」「Gunosy Premium Ads」といった既存の広告プロダクトは、100%自社開発で提供しています。しかし、DSP市場はすでに競争が激しく、我々が今からそこに膨大な費用や時間を投じるのはリスクがあると感じていました。
そこで、DSP構築・運用で実績のあるパートナーと組み、我々は自社の資産であるデータの収集・整備にフォーカスしようと考えたのです。なかでも、正確な属性データを用いたアドプラットフォーム構築・運用で実績のあるSupershipは、グノシーのデータの価値をさらに高めてくれるのではないかと。
宮本:アドプラットフォームのOEM構築を手がける事業者は少なく、なかでもスマホに最適化した戦略をとっているのは当社だけと言っていいと思います。ユーザーデータを活用したアプリ含むスマホ向けの広告配信は、広告主のニーズが今後ますます高まり、市場が拡大していくと予想されます。
こうした中、当社と、データ保有企業であるGunosy、そして広告主であるDeNAの3社が連携し、新しい広告サービス・Gunosy DSPを開発、運用改善を進めているところです。
これまでは当社のDSPをほぼそのままご利用いただく形が多かったのですが、最近ではGunosyと同様、当社の独自データと、データ保有企業の独自データを連携させる例が増えています。
メディアのみならず、ユーザーデータを蓄積している企業が、そのマネタイズを考え始めているのは間違いありません。
データ保有企業が、新しいビジネスによってこれまでにない利益を生み出せるよう、当社の知見を生かしてサポー
トしたいと考えています。
今西:DSPを効果的に運用するためのポイントは、①高精度のユーザーデータ、②質の高い配信面、③質の高いクリエイティブの3つだと考えています。
「消費者の可処分時間を確保できている場(配信面)」で、「適切なターゲット(データ)」に配信することが重要ですから、①②はSupershipとGunosyの力を借りてPDCAを高速回転させ、最適化していきます。これに加え、広告主としては③のクリエイティブという変数でいかに差別化するかという視点も重要。
静止画に加え、工数のかかる動画も積極的に活用するため、広告会社や制作会社との効果的な連携のあり方も模索しているところです。
宮本:データ保有企業や広告主と、これほど密に連携しながらDSPを運用するのは初めて。既存の広告商材を運用しているだけでは、他社がすぐ追随してきます。どんどん新しいことに挑戦しないと、差別化が難しくなるのがデジタル広告の難しいところですよね。
今西:アプリマーケティング領域は、最新の手法が半年後には廃れてしまう…なんてことが珍しくありませんから、今回のようにソリューション企業やデータ保有企業と連携しながら、マーケターが自ら「マーケティング手法をつくっていく」感覚を持たないと、効果はすぐに目減りします。
宮本:アドプラットフォームを提供するソリューション企業として、データ保有企業のデータのマネタイズと、広告主のビジネス上の課題解決の両方を実現することを目指しています。消費者のスマホシフトが急速に進むなか、スマホに特化したデータの蓄積やアドプラットフォームの構築・運用を突き詰めてきた当社の知見・技術が生かせると考えています。
Supership
Supershipは、「すべてが相互につながる『よりよい世界』を実現する」という理念のもと、広告事業・プラットフォーム事業などの事業基盤を活かした新たな価値の提供を目指すKDDIのグループ会社です。データ保有企業へSupershipのアドプラットフォームをOEM提供することで、広告配信に寄るマネタイズを支援しています。
お問い合わせ先
Supership株式会社 アドプラットフォーム事業部
TEL:03-6365-6755
E-mail:so-sales@supership.jp