現地でのプランニング活動におけるTIPSは?
先に報告しておくと、今回日本代表チームは上位3位までには入賞できなかった。上位作品については後述するが、代表の関谷・谷脇チームから言わせれば「3位までは決まっているけど、それ以下は発表されない。間違いなく4位だったと思う」という悔し紛れながらも力強い言葉をもらったので紹介しておく。
そしてここでは、彼らが体験した様々な局面を共有して、来年以降の財産としたい。以下、彼らのリアルな言葉から、戦いの現場を考察する。
- 今回は、約10日前に7つの課題が示されていて、この中から出すと予告されていた。それぞれの課題に対してアイデアを用意していたが、最終的に与えられた課題の設定が複雑すぎた(谷脇)
- 使用できる機材はWindowsでパワーポイントだけと聞いていた。しかし、直前に本番プレゼンはMacでやると言われた。そういう緩さに動じないようにしないと気持ちが乱れるなぁと反省(関谷)
- 集中してアイデア出しするスペースが欲しかったが、ホテルは机がなかった。他国のチームは精神的にタフなのか、海辺やホテルのロビーで場所を気にせずやっていた(関谷)
- 資料をプリントアウトして内容を確認したかったが、機材がなかった。ホテルのフロントにデータを送って出力してもらうなどしたが、プリンターも持って行けばよかった(谷脇)
物理的な制約もいろいろあるようだが、それに対するメンタル・トレーニング、あるいはそれを乗り越える機材の事前準備・投入なども必要なようだ。一方、プランニング自体の進め方についてもいくつか紹介する。
- 新しいファクトをつきつけて生活者の意識変化を狙うことをベースに考えた。そのファクト探しに注力した(谷脇)
- グローバル視点で太く分かりやすいインサイトを基準にしていたが、裏返すとそれはシンプルということなので、クリエイティブジャンプがしづらいと感じた。キービジュアルで見せる時に一発で分かって、一言で説明できるアイデアにしたかったのでどちらに振るか悩んだ(谷脇)
- 留意したのは、「ニュースで扱われるか?」というPR視点。もちろん、そのニュースを見た人が共感できるかということも考えていた(関谷)
- それらの活動が「サステナブルかどうか」は、オリエンのときにも強調されていたので、大切な視点だと思う(谷脇)
ちなみに、彼らはアイデア出しに行き詰まったとき用にもう一度発想の原点に返れるよう「PR視点とは?」というようなポイントをいくつかまとめておき、現地でもそれを活用したという。こういう事前準備もとても大切だと思う。内緒だが見せてくれたので小さな写真でイメージだけ伝えておこう。