Step4 イラスト入りの「絵コンテ」シートでイメージ確認
脚本を確定すると、次は「絵コンテ」のステップへ。
一番右に「Screen(最終画面)」の列が追加され、イラストが見られるようになっています。
イラストが入ることでだいぶイメージがしやすくなりました。頭の中で動く様子を想像しながら見るのが楽しいです。
情報量は多いはずなのに、ビジュアル(イラスト)に置き換えることで直感的に理解できるようになり、一気にストーリーに乗せて展開していくことで多くの情報を伝えられる。さまざまなギミックで楽しさを演出し、飽きさせない。それがsimpleshowの解説動画のすぐれたところだと、改めて感じさせられました。
今回もいくつか細かなリクエストを戻させてもらい、その修正を確認して絵コンテステップも完了です。
Step5 南青山 simpleshow東京オフィスでの「撮影」現場に潜入
さあ、いよいよ撮影に入ります。普段はこの工程は公開されていないのですが、今回特別に取材で撮影が行われているsimpleshow東京オフィスにお邪魔させてもらいました。
撮影前の準備から、まず見せてもらいます。こちらはイラストを切り抜いているところ。
simpleshowのイラストは、PCで制作し、それを紙にプリントアウトしたものをこのように切り抜き、人の手の動きと一緒に撮影します。
CGやデジタルで処理したほうが早いのでは?と感じる方もいるかもしれませんが、イラストを切り抜くことで紙のふちの下に影がうっすらと入るといったアナログな部分が不思議な印象や驚きを与え、より記憶に残りやすくなるとのこと。
さらに、紙を切り抜いているからこそ、こんなギミックも可能です。
撮影した映像は、その場で編集担当のスタッフの方が仕上げていきます。
今回のデジタルマガジン解説動画の制作にあたってお世話になったsimpleshowの方たちは、若いスタッフが多かったです。今回はプロダクションマネージャーの下村英里さん、コピーライターの石井窓呂さん、アートディレクターの奈良敏弥さん、映像エディターの大塚直哉さんにお世話になりました。ちなみに、石井さんは雑誌の編集ご出身とのこと。紙の編集で培った情報整理力を、解説動画の脚本制作に生かしているんですね。
せっかくの機会なので、石井さんに脚本についてのショートインタビューをさせていただきました。
石井:操り人形は「自在に情報を操る」ことの表現です。宣伝会議デジタルマガジンでは、企画書やプレゼンで使える情報を自在に引き出せます。その象徴として登場させました。
編集部:主人公が2人になったことで、物語がよりわかりやすく進行するようになっていましたね。
石井:simpleshowの解説動画には、必ず主人公が登場し、主人公に共感することで、見た人が課題を自分ごととして捉えられるようになっています。商品やサービスのメリットから逆算して、主人公の課題を考えていくことが多いです。今回の動画では、主人公を2人にし、「教える人」「教えられる人」という関係性にしました。「教える人」(ヒロさん)はかつて「教えられる人」(カナさん)と同じ課題を持っていた人、という設定です。ターゲットが特に性別を問わない場合、主人公を2人にするときは男女にするようにしています。
編集部:ふだんsimpleshowの脚本を考える上で、難しい点、苦労する点を挙げるとしたら何ですか?
石井:simpleshowではナレーションを先に決め、その後イラストを確定していくという順番で作ります。だから脚本はイラストを頭の中で思い浮かべながら書く必要があるのですが、それが結構難しいんです。あとは、イラストにしやすいコトバを使う、WOWポイント(なるほど!と人が腹落ちするポイント)を構成展開に入れる、デジタルだとできないト書表現を考える、などは simpleshow ならではの特徴と言えると思います。
編集部:なるほど、広告で言えばCMプランナーに近い役割と言えるかもしれませんね。どうもありがとうございました。
石井さん、ほかスタッフの皆さん、ありがとうございました。