夏目和彦
アイ・エム・ジェイ/ディレクター/プランナー
愛知県新城市生まれ。2006年IMJ入社。デジタルマーケティングにおけるプランニングやディレクションを領域としながら、サービスデザインやプロモーション設計まで幅広く活動中。こう見えて1児のパパ。HCD-Net認定人間中心設計専門家。2014年度グッドデザイン賞「未来づくりデザイン賞」受賞など。
ベビーカーとタクシー。
突然ですが、皆さんはタクシーに乗って、怖いと思った経験はありませんか?
私の職場は渋谷にあるので、よくタクシーで246号線や六本木通りを走るのですが、すごいスピードで飛ばすドライバーさんに遭遇する機会が多くあります。急加速や急ブレーキは日常茶飯事。酔っ払って乗車した時は最悪で、自分に染み付いた食べ物やタバコの匂いが車内に蔓延する車中で、気分が悪くなった経験は一度や二度ではすみません。
そんな経験、読者の皆さんにはないでしょうか。
これからお話するのは、ある晴れた休日の昼下がり、タクシーで自宅に向かっていた時の体験です。
制限時速40kmの道路で、クルマの通りも非常に少なかったので、ドライバーさんは70kmほどのスピードで飛ばしていました。特に急いでいたわけではない私は「そんなに急いでないから、そこまでスピード出さなくてもよいのに…」と思いながらも、自宅までは5分くらいの距離なので、我慢しようと思い、黙ってシートベルトを締め直しました。
その時、急ブレーキで体が大きく揺さぶられ、次の瞬間に大きなクラクションが鳴りました。
「危ねえじゃねぇかこの野郎っ!!」
運転手の怒声の先にいたのは、道路を横断していたベビーカーと、ベビーカーを押す引きつった顔の女性でした。
見通しの良い道だったので、幸いあと10メートルのところでタクシーは止まり、女性はタクシーに向かって申し訳なさそうに頭を下げ、運転手はブツブツと文句を言いながら再びアクセルを踏み込みました。
一連の出来事を経験した、私の中に湧き上がった感情は、ドライバーに対する怒りでした。
「……おいおい運転手さん、70kmで飛ばしておいてその言い方はないでしょ?」
思わず私が発した言葉から、その後タクシーが自宅に着くまで口論が続きました。
はじめまして。
IMJの夏目和彦と申します。アドタイ読者の方にはあまり馴染みがない会社かもしれませんので、まず簡単にご紹介を。
IMJは今年で創業20周年を迎えた、デジタルマーケティング支援を事業としている会社です。昔は企業のホームページを作ったり、日々のサイト運用をお手伝いする仕事が多かったのですが、クライアントの抱える課題が複雑化・多様化・高度化しているのに合わせて、IMJも事業領域をデジタルマーケティング全般の支援に広げてきました。
先日、アクセンチュアの連結子会社になったニュースをご覧になった方もいると思いますが、この件は私も深く関わった人間の1人なので、コラムの所々でお話したいと思っています。
と、ついつい堅苦しくなっちゃいますのでこれくらいにして…。
冒頭でタクシーでの体験をご紹介しましたが、この話にはもちろん続きがあります。