優れた企業広報を実践している企業や経営者、企業広報の実務者を顕彰する「第32回企業広報賞」の表彰式が6日、都内で開かれた。
今年度の「企業広報大賞」に選ばれた三菱商事は、国内外のステークホルダーに対し、透明性、公開性、公正性、迅速性のある広報活動を実践していることや、東日本大震災の復興支援を現在に至るまで続けていることが評価された。
垣内威彦社長は、「三菱商事の企業理念である『所期奉公』『処事光明』『立業貿易』の三綱領を徹底してきたことが今回の受賞につながったと考えている」と喜びを表した。今年4月に社長に就任したことにも触れ、「中期経営計画に沿って、社会価値、環境価値、経済価値の三方すべてをよしとする経営で社会に貢献していきたい」と強調した。
百貨店だからこそトップ広報を
企業広報経営者賞を受賞した三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は、取材や講演などの依頼に率先して対応するなど徹底した「トップ広報」が受賞理由。「トップがなるべくお客さまに直接メッセージを伝えることが、百貨店ができることだと思って取り組んできた」と振り返った。
同じく経営者賞を受賞したりそなホールディングスの東和浩社長は、「リテールNo.1」を目指す経営戦略を明確に打ち出し、先進的な「りそな」独自のサービスと差別化戦略を進め継続的に発信してきた。
代理であいさつに立った菅哲哉代表執行役は、「2003年に公的資金が入ってから、透明な経営を心がけ、社会とのコミュニケーションに努めてきた。これからもポリシーを貫き、誠意ある広報活動を行っていきたい」とコメントした。
メディアに常識教わった
企業広報功労・奨励賞を受賞したのは、キリンの藤原哲也・執行役員 CSV本部コーポレートコミュニケーション部長と、ローソンの宮﨑純・常務執行役員 コミュニケーション本部長。キリンの藤原氏は、「『会社が厳しいときほど広報は真価を問われる。真摯な対話が求められる』と教わった。これからも地道な広報を続けていきたい」と抱負を述べた。
ローソンの宮﨑氏は、記者発表でメディアに不評を買った新サービスが後に上手く行かなかった例を挙げ、「いつも常識を教えていただけるのはメディア」と話し会場の笑いを誘った。「これからもメディアの方に『応える広報』を目指す。困ったらローソンに聞け、と言われるようにしたい」と述べた。
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