#03 バズの土台 –その動画を届けるためのメディア戦略–

バズ的メディア戦略の組み立て方

では、それぞれの動画メディアはどう違うのか?
それぞれの特徴をまとめてみました。
※あくまで主観と感覚値に基づいた個人による分析です。

YouTubeは「サーチメディア」
—最も幅広い年代から愛用されている
—最も優れている点は、動画がアーカイブされ、検索機能と関連動画機能が優れていること
—アップ主に対する機能・サービスも充実

→コンテンツ力があって検索されやすいアーティストのMVやお笑い、アニメ・映画・ゲームのトレイラー、ハウツー、商品力の高いプロダクト紹介といったコンテンツの親和性が高い。
→検索&関連動画機能による巡回によって、長期的に見てもらいやすい。
→ニュースメディアにエンベッドされる可能性が最も高いので、記事による露出も狙いやすい。
→積極的に見てくれようとしている人が多いので、ある程度尺が長くても許容される。

Twitterは「ライトシェアメディア」
—ユーザーは10〜20代が中心
—匿名の140文字で、タイムラインがどんどん流れる
—動画はタイムラインで自動再生
—投稿は基本オープンで、モニタリングしやすい
—#タグ文化

→ユーザーのRTの障壁が低く、シェア・閲覧数の爆発力が高い。
→エンベッドされ、記事による露出も狙いやすい。
→ライト・ニッチなコンテンツも受けいれられやすい。
→気軽にユーザーとのコミュニケーションが可能。
→#タグの有効活用によってファンやリーチを広げられる。

Facebookは「パブリックシェアメディア」
—ユーザーは20〜40代が中心
—実名で、社会性が高い
—動画はタイムラインで自動再生
—シェアしたものが自分の”ブランド”に

→シェア・閲覧が爆発的に伸びやすい。
→「社会善」「人間愛」「かわいい動物」「便利」「神業」「技術進歩」といった、
 普遍性のあるポジティブな話題が受けいれられやすい。
→コンテンツに対する建設的なフィードバックが得られやすく、良質な議論ができる。
→企業が映像を使ってブランディング×拡散を狙うときに、重宝される環境。

Instagramは「ディスカバリーメディア」
—ユーザーは10〜30代の女性が中心
—フィルター機能でセンスある写真が撮れる
—ファッション・インテリア・フード・トラベルなど、生活の様々な側面でのヒントが豊富
—ビジュアルベースコミュニケーション
—#タグ文化

→エンゲージメント率が非常に高く、絆が深めやすい
→ブランドイメージが刷新しやすい
→“見たい”“撮りたい”というモチベーションが行動を喚起しやすい
→生活にインスピレーションを与えるコンテンツが受けいれられやすい
→#タグの有効活用によってファン層やリーチを広げることも可能

Vimeoは「クリエイターズメディア」
—ユーザーはクリエイター層が中心
—作家性が強く、クオリティが高い映像作品が世界中から集結
—より良い作品をより良い環境でみてもらうことへの運営のこだわりが強い

→質の高いコンテンツが受けいれられやすい
→クリエイティブに対して感度の高い人にアプローチしやすい
→STAFF PICKに選ばれれば、影響力の高いメディアやインフルエンサーに発掘される可能性が高くなる
→縦型動画も非常にきれいな状態で閲覧してもらうことができる

以上のような特徴が見受けられます。
誰をメインターゲットに据えるか、その動画の目的は?コアとなるアイデアは?
それに応じて、メディアが決まり、動画コンテンツの種類や編集方針にまで影響してきます。

次ページ 「メディア戦略に根ざしたコンテンツ開発」へ続く

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栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)
栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
https://www.facebook.com/kazuaki.kuribayashi

栗林和明(TBWA\HAKUHODO Buzz Machine)

1987年生まれ。上智大学経営学科卒業。専門は「バズ」。 話題の“量”、“質”、そして“精度”を高める。 過去100社以上のソーシャルメディアマーケティング、 インタラクティブプロモーション施策を担当し、直近2年で獲得映像再生数は8500万回超。主な担当作品は縦型スマホジャックMV「RUN and RUN」、日産自動車「Intelligent Parking Chair」「#猫バンバン」、オーストラリア政府観光局「GIGA Selfie」、AKB48「LOVE TRIP」MV、「COGY」ブランドムービー、サントリー「忍者女子高生」、など。 カンヌライオンズ Gold、BOVAオンライン動画コンテスト Grand Prix、メディア芸術祭審査員特別賞、電通賞最優秀賞、ACC Silverなど
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