メディア戦略に根ざしたコンテンツ開発
これらの特徴を捉え、私の属するチームが関わった例をご紹介します。
【日産自動車 / Intelligent Parking Chair】
日産自動車さんの技術力や、既に自動運転技術を活用して搭載されている自動駐車機能を、もっとたくさんの人にしってもらいたい、という事で生まれたのが、この「自動で駐車するイス」というアイデアでした。
では、メディア戦略はどうするか?
沢山の人に知ってもらうためには、一気にシェアを促すことが必要。
そして生活を便利にするテクノロジーの話題に最も親和性が高い媒体が最適。
そんな考えの元選定したのが、Facebookでした。
そして、“Facebookで話題が最大化するコンテンツづくり”に照準を絞り、3つの編集方針を定めました。
- 「0秒目」
FacebookもTwitterもタイムラインを高速で流してしまうため、0秒目に心を掴む。 - 「オールサビ」
タイムラインの中に表示されるということは、閲覧障壁が低ければ、離脱の障壁も非常に低い。ワンスクロールですぐにどこかへ離れてしまう。そこで、驚きが絶え間なく続く、いうならばずっとサビの状態が続いている状態に。 - 「無音」
スマホユーザーは、ほとんどが無音環境で再生すると考えられます。そこで、無音のユーザーでも驚きが十分伝わるような構成に。
この時、Facebookを軸とはしましたが、もちろんYouTube、Twitterでもしっかり閲覧されやすい工夫をしたことで、相当な閲覧とシェアを生み出し、世界中のテレビ・ウェブニュースで紹介され、結果的には3000万以上の再生数を獲得しました。
それと近い戦略・編集方針の元、こんなコンテンツも開発しました。
【ノジマ相模原RISE —アメフト選手が全力でイス取りゲームしてみた結果—】(個人制作)
友人の所属するアメフトチームを日本・世界中にPRするために制作したこの動画。
拡散のためのアイデアとメディア戦略をシャープにした結果、3000円の制作費(折れたイス代)で、3200万再生の閲覧につながりました。
【スマホジャックMV「Lyrical School — RUN and RUN」】
これは、HIPHOPアイドルグループであるリリカルスクールメジャーデビューのタイミングで制作したMVです。
スマホジャックMVというアイデアがまず最初に誕生しましたが、もっとも重要だったのは、その乗っ取られている感覚。その表現が最も刺さる人が集まり、そしてその表現の魅力を最大化するためにはどのメディアが最適か、という視点で戦略を設計しました。
様々な検証の結果、Vimeoは縦型動画を再生すると同時に画面が最大化され、安定して高画質で再生してくれるため、その驚きがもっとも引き出されるメディアだという事が判明。
また、このある種のメディアアートにもっとも反応するのはクリエイター層であったため、その点でも親和性が高い媒体でした。
このように、目的、ターゲット、そしてアイデアによってメディア戦略を設計し、その戦略に応じた柔軟なコンテンツ作りの重要性は、これからどんどん高まってくるように感じます。
以上、長文読んでいただいた方、ありがとうございました。
次回のテーマは
バズの成功率を飛躍的に高める、依頼の仕方、受け方についてです。