バイラル動画を成功させる秘訣をAOI Pro.の加藤久哉さんに聞いてみた

この動画、わざわざ見る?という徹底的なセルフチェック。

—プロデューサーとして、テレビCMとオンライン動画を制作する上での違いがあれば、教えてください。

「オンライン動画は、CMとは目的も構造も尺も異なりますよね。オンライン動画のほうがCMよりも生活者に近い感覚というか、生活者に選んで見てもらうもの、という意識が作る側のベースとしてある気がします。だから打ち合わせの時、より素人というか、普通の人の目線で意見を言いやすい。僕が生活者として面白いと思うかどうかをフラットに言えるというか、言っても平気な土壌があるというか。だから、『これ、わざわざ見ます?』っていう視点で、わりと意見を言っていますね。一方、15秒のCMはちょっと違います。このタレントがおいしそうに食べているヨリのカットは絶対はずせない。だからそのカットを1秒入れて、さらにテロップも絶対入れないと。でもこのコピーも外せない…っていうことをめちゃめちゃ緻密にやるわけです。僕も15年やっているので、もちろんその感覚がわからないわけじゃないですが、その世界は、その道の匠にお任せしようかな、と。でも、オンラインムービーは生活者目線。だから、一緒に連れて行った若いプランナーとかにも、プランナーとして意見というよりも、家でこれ見る? クリックする? っていう視点で、ざっくばらんに意見を言わせるようにしてます。新卒の子の意見とか、すごく貴重です」

鬼ムービーの学び②
テレビCMで鍛えた筋力だけでオンライン動画にチャレンジしてしまうと、日々オンライン動画を見ている生活者の肌感覚とズレてしまうことがあります。常に、リアルでシビアな生活者目線でチェックをすることがとても大切。自分だったら無数にある動画の中から、このムービーを選んで見るか? 忙しい時間の合間にわざわざ見るか? まして、友達にシェアするなんて面倒くさいことまで本当にするか? そのチェックでズレていると分かったらすぐに軌道修正できるチームの柔軟性も大事なことが分かります。企画や制作のあらゆるポイントでこのセルフチェックをできることが、オンライン動画の打率を上げるもうひとつの秘訣なんですね。

次ページ 「“実現力”を上げるための、チームの「グルーヴ感」。」へ続く

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眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)
眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)

オンライン動画を中心に、最適かつ先進的なコミュニケーションをプランニングから制作・PDCAまで担う専門チーム。クリエーティブ、PR、メディアを中心に各部門からデジタル領域の知見を持つスタッフがグループ横断で集結している。名前には、鬼ヤバい・鬼泣ける・鬼かわいいなど、オンライン上の動画を楽しむ世代が使用する「鬼」という言葉に着目し、鬼○○な動画を生み出すチームという意味を込めている。

眞鍋 亮平/鹿間 天平/根本 陽平(鬼ムービー)

オンライン動画を中心に、最適かつ先進的なコミュニケーションをプランニングから制作・PDCAまで担う専門チーム。クリエーティブ、PR、メディアを中心に各部門からデジタル領域の知見を持つスタッフがグループ横断で集結している。名前には、鬼ヤバい・鬼泣ける・鬼かわいいなど、オンライン上の動画を楽しむ世代が使用する「鬼」という言葉に着目し、鬼○○な動画を生み出すチームという意味を込めている。

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