メディアの総PVよりも重要視している指標
—分散型メディアの波には乗らない、というのも逆に興味が湧きます。編集部内で重視している指標は何でしょうか?
メディア全体の総PVよりも、今は「1記事あたりのPV」を重視しています。というのも、我々のメディアにエディトリアルアド(編集タイアップ広告)を発注してくださる広告主にとって、重要な指標が1記事あたりのPVだからです。例えば、「あるメディアの総PVが1億PVから10億PVに伸びた」と言っても、単純にコンテンツの数が10倍になっていただけであれば、エディトリアルアドの広告価値はさほど変わらないでしょう。
また、サブ指標として記事へのアクション率も追っています。1記事あたりのPVとアクション率の掛け合わせを“1記事あたりの影響力”と定義して、それをどんどん大きくしていければと思っています。
—1記事あたりの影響力を高めるために行っていることはありますか?
まさにコーナーを新設したことで、効果が出てきていると思っています。我々のような幅広いテーマを扱うメディアの中で有象無象のコンテンツをつくっていると、なかなか編集者に個別のテーマに関する知識やノウハウが溜まりづらいという課題があります。コーナーをつくり、それぞれに編集担当を付けたことで、担当者が絞られた領域でPDCAを回すことができ、記事の精度が上がっています。
また、週に1回、編集部がつくった全記事のCTRや拡散数、読了率などの数字を見ながら、一人ひとりがKPT(Keep Problem Try:良かったこと・悪かったこと・次に試したいこと)を発表して、議論する場も設けています。
—そのミーティングで、記事を伸ばすノウハウを共有されているわけですね。
はい。我々が得意とする“コンテンツを身近に感じさせ、拡散してもらう”編集ノウハウは、従来の経験豊富な編集者でもなかなか持っていない特殊なものだと思っています。ですので、我々なりにノウハウを蓄積する方法を模索していく必要がありますし、この力を研ぎ澄ませていくことがSpotlightの広告価値を向上させると思っています。
—最後に、今後の展望をお聞かせください。
事業モデルとしては、パブリッシャーとプラットフォームを組み合わせた「プラティッシャー」の先駆者となることを目指しています。Spotlightはコンテンツが集まるプラットフォームのような仕組みと、編集部で影響力の高いコンテンツを内製する体制の両方を持っているので、この2つを軸にメディアとしての存在感をさらに高めていきたいです。
メディアのビジョンは、世の中のニュースや情報をもっと身近で楽しいものにすること。テレビのワイドショーは報道番組よりも親近感があり、間口が広い印象がありますが、Spotlightもそんなメディアを目指していきたいと思っています。
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