相互理解を促し関係性をデザインする
特に現代の若者は、世界に「情報革命」が起きた後に生まれた世代。若者が従来の慣習にとらわれない新鮮な感覚と発想を持っているという指摘は、決して今に始まったことではない。
しかし、「情報革命」の前と後では前提となる考え方自体が全く違う。若者は「量の影響力」が低いと切り捨ててしまってよいのか。新しい前提から生み出される新しい仕組みを企業に取り込んでいかなくてよいのか。吉田氏らは著書を通じて、疑問を投げかける。
もともと「電通ワカモン」は発足以来、「若者の観察を通して、新しい価値観の兆しを研究する」ことを活動方針に掲げてきた組織だ。「社会にこれから浸透するかもしれない、新しいコンセプトの兆しを発掘するために若者研究をしている。そのコンセプトは決して若者にしか生かされないものではなく、他の世代のマーケティングにも活用できる可能性が多分にある」と吉田氏は考えている。
だからこそ「量」だけではない「質の影響力」への着眼を、著書を通じて訴える。
さらに「大人と若者以外にも、社会の中には相互理解が欠如した関係性はたくさん存在する」と吉田氏。「昨今、『ダイバーシティ』が重要視されるが、これまで単一的な価値観で経済成長を遂げ、勢い重視で進めてきた影響もあるのではないか。世の中の前提すら変革してしまった『情報革命』後の現代において、自分と異なる価値観の他者を理解することは、ますます重要になってくる。本書が社会における相互理解を知るきっかけになれば」と著書に込めた思いを話した。
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