「PRの未来」は、どこにあるのか。
Q:と言いつつも、自分のやってることがPRなのか判断できない、とか、応募するような活動じゃないのではないか、と尻込みしてしまう人もいる気がするのですが…。
本田:これはPRじゃない、と自分で思い込まずに、まずはトライですよね。日本には、まだまだ課題がいっぱいあります。企業も、政治も行政も、悩んでいる人はたくさんいる。でも、悩みの総量に対して、PRがその解決策になるという“気づきのバランス”が、今はまだ悪いんだと思います。もっとPRで解決できることはたくさんあるはずです。でも、PRを矮小化して捉えていたり、そもそもPRで解決するという発想に至ってない人もまだ多い。PRアワードに応募したり、受賞作品のアイデアや手法を見ていただくことで、PRが担える領域の広さや、課題の多様性に気づいてほしいですね。
冨岡:PRって、スペシャルな活動じゃないですよね。PRSJの新倫理要綱では「パブリックリレーションズは、ステークホルダーおよび社会との間で健全な価値観を形成し、継続的に信頼関係を築くための活動である。その中心となるものは、相互理解と合意形成、信頼関係を深めるためのコミュニケーションである」と定義しています。これって、社会活動そのものなので、みなさん、どんな事業体の方も、ベースとして当たり前に取り組んでいるはずです。PRだと認識していないでやっていることが、実はPR的な取り組みだったりします。
本田:初めてでも、何度目の応募であっても、尻込みする必要はありません。そのエントリーが、日本のPR領域を拡大する一手になるかもしれないし、悩みを抱えている人の助けになるかもしれない。
冨岡:あらゆることがPRであり、アワードの対象になる、と捉えてほしいです。それが、業界や、PRのプロである審査員ですら思ってもいなかったような「新しいこと」を連れてくるかもしれない。きっと、それが「PRの未来」ですよね。
(聞き手:伊澤佑美)