役づくりのために内なる闇と向き合う日々を過ごしている
小関:最近は長い期間、ずっと向き合ってますね。
中村:内なる闇と?
権八:どういうこと? 洞窟で瞑想して、闇を感じるんですか?
小関:はい、陰ですね。自分なりの陰を感じるようにしていて。恨みや怒りは単純な闇ですけど、愛の中でも闇の部分があったり。そういうことを自分の中で思い出しながら真っ暗闇の中で反響音もない無音の中で目をつぶりながら壁と向かい合って、何も考えないということをしてみたり。闇という文字を思い浮かべてみたり。形になっている闇というより、みんなが見たことがないような景色を見られるようにやってますね。
澤本:すごいよ。僕は「うん、うん」と言ってたけど、よくわからない(笑)。
権八:小関くんは自分の怒りやよくない感情を思い出すと言ったけど、最近怒ったことってありますか? 怒ったりしなさそうじゃない。
小関:最近ありました。この間、イギリスの帰りの飛行機で後ろの席に反抗期のイギリスの女の子が座ってたんですよ。僕の席をどんどんと蹴ってきて、そろそろやめてくれよと思って、優しく「Excuse me. Please don’t push me.」と言ったんですけど、プンとしたんです。「なんだ、こいつ!」と思ったけど、それを抑え込んで。抑え込むのもエネルギーが必要じゃないですか。この抑え込むというのは何だろうと思っていたら、また蹴ってきたんですよ。だから、拙い英語で怒りを表現してバカにされるよりも、日本語で怒ったほうがいいのかもと思って「さっき蹴るなって言っただろ!」ということをガーッと日本語で話したんですよ。そしたら、Sorry.と言ってくれて。そのとき、怒りを抑え込むというエネルギーは逆に放出したら、どういう形になるんだろうというのは考えました。
中村:一回、内に溜めて怒りを増幅させたわけですね。普段の小関くんだったら、しないようなことをあえてやってみて。ロビンは怒りを持っているキャラなんですか?
小関:いや、怒りじゃないです。ロビンは単純に愛しすぎちゃうという。愛しすぎるがゆえにその子を自分のモノにしたいというだけですね。だから、エネルギーが凄いんですよ。その子に対する真っ直ぐなエネルギーによって、まわりをどんどん潰していっちゃう。傍からすると悪い奴なんだけど、本人は気づいてないというような。今は外から固めている最中です。
中村:そろそろ小関くんともお別れの時間が近づいているのですが、今後の活動はまずは12月のミュージカル『わたしは真悟』に出演すると。今後はどんな活動をしていきたいかも聞きたいんですけど、たとえば演じるだけではなくて映画『Drawing Days』は企画も参加していると。こういう企画や制作にも興味があったりするのでしょうか?
小関:あります。『Drawing Days』のきっかけは僕が高校生のときに文化祭であまり企画をしていなかったという過去への後悔があって、何か自分で生み出す、プロデュース的なことをしたらカッコいいのにできなかったという。友人と「舞台をつくってみないか」という話があったりしたんですけど、できなくて。結局、いろいろな方の力を借りてできたのがこの『Drawing Days』という映画だったんです。プロデューサーは自分のマネージャーさんがやってくださって、自分は主演として出させてもらって。0から1にするという楽しみをこれで知って、映画に限らずそういう企画は楽しくてやりたいと思っています。写真を撮るのが好きなので、写真展もやってみたいと思ったり。やってみたいことが多いですね。
中村:すごいですね。何にでもハマるタイプですね。ということで、あらゆる分野で小関裕太さんの今後のご活躍にご期待ください。
小関:ありがとうございました!
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構成・文 廣田喜昭