オムニコムによるマクドナルドのアカウント奪取から見えてくる「未来のエージェンシー」とは?

エージェンシーの未来についての3つの課題

画像提供:shutterstock

海外のクライアントは広告代理店のレビュー(見直し)をよく行います。クリエイティブを統括するリードエージェンシーに対しては3年から5年で見直すのが一般的なようです。

少し前にオムニコムグループが、マクドナルドのメディアアカウントを獲得したことが広告業界的には大きなニュースになりました。というのも、メディアに関するノウハウは、クリエイティブと違って蓄積効果や経験による学習が容易に想像できるため、予算よりもリスクを回避したい意向を持つクライアントは、メディアアカウントの変更をあまり好まない傾向にあるからです。

そして最近、オムニコムグループがメディアアカウントに続き、クリエイティブのアカウントもパブリシスから奪取し、業界を騒がせています。なぜなら、この大型アカウント獲得の背景には、エージェンシーとクラインアントが今後、考えるべき課題が大きく関わっているからです。

米国の広告業界誌『ADWEEK』では、この獲得劇をテーマに「エージェンシーの未来はどうあるべきか?」という記事を出しています。このコラムも、その記事に触発されて書いたものです。

そこで今回は、以下の3つの課題を取り上げたいと思います。

  1. デジタル業務に関するインハウス化とアウトソーシング化
  2. 同一ホールディンググループによるエージェンシーチーム
  3. データドリヴンなクリエイティブプロセス

それぞれ説明していきましょう。

次ページ 「1.デジタル業務に関するインハウス化とアウトソーシング化」へ続く

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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