通販限定の化粧品だからこそ、人の温度感が必要だった(KOSE 米肌)

使用機会と実感をクチコミで増やす

藤崎:アンバサダープログラムの内容を教えてください。

佐々木:化粧品という商品の特性上、購入を迷っている人の参考になるコンテンツが増えるように、大きく4つの施策を同時に走らせています。

1つ目は、「米肌」を既にお使いのユーザーに、感想やおすすめのポイントを発信してもらう「教えてあなたの米肌体験キャンペーン」です。

2つ目は、「米肌」の未使用者、もしくはまだ使ったことがないアイテムがある人に向けて「米肌欲しい宣言キャンペーン」を行っています。欲しい商品を選んでもらい、その気持ちを投稿してもらうものです。

3つ目は「米肌体験レポーター」です。これは季節に合わせた「米肌」のラインアップや、発売前の商品に関して特別モニターを募集して、体験レポーターになってもらう企画です。みなさんから、使用した感想をしっかりいただけるので、このクチコミも新規ユーザーの参考になっています。

4つ目は、年2回のペースで行っているアンバサダーミーティングです。「米肌」は対面販売ではないので、直接アンバサダーの方と触れ合える有意義なイベントになっています。

当日は「米肌」ブランドや、ライスパワーエキス、開発秘話、正しいスキンケアの使い方や、お手入れ方法などを弊社のビューティープロデューサーがレクチャーします。集まってもらったファンの方に有意義になるよう、「米肌」のより良い使い方、より高い効果が体験できるレクリエーション的なイベントにしています。

藤崎:なるほど、化粧品は季節によって使うアイテムが変わるので、3つ目で挙げられている季節をテーマにするのはいいですね。

佐々木:例えば、夏は夏用のケア商品、9月は新商品のクリームとエイジングケア系の商品といった具合に変えています。

藤崎:ユーザーの身からすると「とても親切なブランド」だと映りますね。「体験レポーター」と銘打っているところもいいです。自分の体験をみんなのためにレポートしたくなります。

佐々木:みなさん、熱心に体験をレポートしてくださいます。「良さを周りに伝えるんだ」という気持ちになってくれるようです。季節性に関しては、やはりその時期に合わせた方が効果を実感しやすいですし、ラインアップを伝えることでブランドの充実ぶりも伝えることができます。

藤崎:従来の広告だと、モニターも一度決めた商品でずっと続けていくケースが多かったと思います。でもネットではフレキシブルに施策を動かしていくことができるので便利ですね。

佐々木:季節に合わせたおすすめのアイテムを3点や2点セットで提供しています。これだけたっぷりと使ってもらう機会はアンバサダープログラムならではのため、毎回かなりの反響があります。

藤崎実氏

藤崎:やはり化粧品という分野だけに、女性にとってはお肌に合う、合わないということが大きいのでしょうね。一度自分に合うと、その化粧品のファンになるということですよね。

佐々木:それは非常に強いと思います。そこで、できるだけ使用機会を増やして試してもらいたいのです。今まで述べた企画は、参加者の知人や友人に発言が届くことになり、とても効果的な投稿企画になっているという実感があります。

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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