通販限定の化粧品だからこそ、人の温度感が必要だった(KOSE 米肌)

重要なのは中身の濃さ

佐々木:実際にアンバサダープログラムを運営して思ったことは、クチコミは「量」も大切ですが、もっとも大事なのは「中身の濃さ」ということです。

藤崎:詳しく教えてください。

佐々木:お化粧品は顔につけるものなので、ただ「良い」「気に入っています」といった表面的なクチコミがたくさんあっても、迷っている人の気持ちを動かすことはできません。
 
「なぜ良いのか」「なぜ気に入っているのか」といった、クチコミを発する人にとっての使用理由がセットになって、初めて迷っている人の最後の後押しができるのだということを実感しています。つまり、それを一言で言えば「中身の濃さ」です。

藤崎:それは個人的な体験や感想でもいいのですか?

佐々木:もちろんアンバサダーの方の個人的な体験も重要です。ただそれ以上に、商品が持っているファクトも重要です。そうした「中身の濃さ」を担保する工夫として、アンバサダーイベントでは弊社のビューティープロデューサーから、「米肌」についていろいろな角度からプレゼンテーションをしてもらっています。

藤崎:なるほど。まず自分が気に入って使い始めたアンバサダーの方が、メーカーの人からもっと詳しい内容を聞くことで、ご本人も自分の選択に納得感を持てるかもしれませんね。「だから私の肌に合っているんだ」、と納得してもらうことで、その内容を人にも伝えたくなる気持ちはわかります。

佐々木:人を動かすクチコミで大切なのは発言数ではなく、理由や裏づけがキチンと語られている必要があるということですね。実際に、「米肌アンバサダー」の方々のクチコミを見ると、物語というか、深いところまでしっかり理解して書き込んでくれています。

藤崎:普通の化粧品と違って「ライスパワー」という特徴があるので、自分の肌に合う人にとっては、語りたくなる魅力があるのだと思います。

佐々木:私はアンバサダーの方のクチコミには全て目を通していますが、やはり「中身が濃い」という印象を受けます。しかも、みなさん積極的に人に伝えてくれています。

佐々木渉 氏
コーセープロビジョン 事業推進部

藤崎:最初に「温度感」というお話がありましたが、それに尽きると思いました。極端な例ですが、Webで話題になっていることを演出するため、業者がダミーのサイトをたくさん作ることも起きています。確かに検索すると、Webサイトがたくさんヒットすると話題になっているような錯覚を覚えますが、中身をよく見ると実は宣伝用のサイトだったりします。それらの共通点は「温度感」がないことです。

佐々木:私はクチコミには人間味がなければ、身近に感じてもらえないと思っています。

藤崎:そうですよね。だから佐々木さんがおっしゃる「温度感」というキーワードはとても大事だと思いました。当たり前ですが、「ちゃんと利用者が書いている」というのはアンバサダープログラムの大きな特徴ですよね。

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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