顔が見えるクチコミが大切
藤崎:化粧品業界では今までも「体験者の声」という企画はたくさんあったと思いますが、「米肌」のように、ユーザーの顔ができるだけ見えるような取り組みは、あまりなかった気がします。
佐々木:従来は「不特定多数の誰か」が感想を言っている感じでしたよね。しかし、誰が言ったかわからないクチコミよりも、知人であったり、顔の知れた人からの発信の方が安心感であったり、身近さを感じてもらえるのではないかと思っています。
藤崎:確かにSNS上で繋がっている友人から感想が直接届くのは、商品との親密感が違いますよね。
佐々木:本当のリアルが伝わるのではないでしょうか。もちろん、知らない人のクチコミでもいいのですが、きちんと特定の個人からの発言であるとわかることが大事だと思います。顔が見えるクチコミが大切だということです。
藤崎:「米肌」の場合、ホームページにも過去のイベントレポートなどが出ていて、商品を使用している方や商品検討者がイベントの追体験ができるようになっています。イベントを開催して終わらせずにコンテンツ化するのは、大変有意義だと思います。他社の例ですが、アンバサダーのクチコミを集約したまとめサイトなども、新規ユーザーの参考になるようです。今日はありがとうございました。
今回のポイント
- 温度感のあるメッセージを伝えたかった
- 通販市場ではリアリティが重要
- 使用機会と使用実感をクチコミで増やす
- 重要なのは中身の濃さ
- 顔が見えるクチコミが大切
今回のまとめ
今回も大事な学びがありました。クチコミに大切なのは「量」ではなく「中身の濃さ」だということ。ネット通販だからこそ、人の温度感がいかに大切か。顔の見えるクチコミがいかに大切か。
化粧品は特殊な分野です。成分だけ知っても、実際に試してみないと自分に合うかどうかわからないからです。でも、自分に合った良い化粧品が見つかった時、たくさん悩んだ分だけ「その良さを人に伝えたい」と思う気持ちはわかる気がします。
クチコミは自分の経験を他の人に役立ててもらいたい、という気持ちから行われるものだと言われます。そう考えると、クチコミとはネット上に集められた、いわば集合知です。化粧品は特殊な分野だけにクチコミがもたらす説得力は大きいと思いました。