旅行者・古民家・地域の誰もが幸せになる施策
見つけた推薦者たちの“目利き力”とは?
大谷:電通の市川さんとI&S BBDOの榎本さんは推薦した側ですが、コミュニケーションとしていいなと思ったところはどこですか?
榎本:やっぱり決め手はネーミングでしたね。「フェス」や「一揆」みたいなネーミングが面白くって。やってることも、ネーミングも面白いっていうのがすごいなと思いました。
古民家がもともと好きというのもあるんですけど、民宿みたいに泊るところを提供している古民家はもともとあったと思うんですね。でもこの事例はソーシャルグッドなのに押しつけがましくないというか、本当に楽しいよって感じがあったのが良かったなと思いました。
大谷:確かに、純粋にやりたいと思った人たちが集まっている感じがしますもんね。
市川:僕はもともと地方の問題に興味があったんですけど、それぞれの地域がいろんな取り組みを既に別々でやっていると思うんですよ。地方と都市の交流人口を増やすとか農業インターンとか。
それを全部ひっくるめて一つの場所でうまく絵を描いてやられていて。「一揆」「村歌(ソング)」みたいにイベントの名前を聞いたらユニークさがあったり、その説明を読んでいたら笑っちゃうほど面白い。「あっ!これは楽しい!」と素直に思えたのがすごいなと思いました。
大谷:実際の審査でもクリエイティブ要素がすごく面白いと思いました。
古民家や地方の話になると、ちょっとかたいイメージになりがちですが、それをこんなにフランクにやれているっていうのが面白いねと審査員の議論でも盛り上がりました。
そういう面白さってどんな経験から得られたんですか?
武田:もともと小さい頃から人を楽しませるのが好きでしたね。だからゲーム会社に入って、ゲームの企画をしていたのですが、その時にネーミングやストーリーの仕組みの部分を学んで、こういうのって地域にも必要だよなと感じていたんですよね。
人口減少とか高齢化とか暗いイメージがある地域で、どう都心の人たちを楽しく巻き込んでいけるかを考えると、ネーミングはすごく大事だなと思っていました。例えば渋谷にいるギャルにどう言ったら田舎の古民家に興味を持ってもらえるか?といったふうにいつも考えていましたね。
大谷:榎本さんはご自身で調べて「SHARE VILLAGE」を知ったんですか?
榎本:僕はマニアックなものとかも頑張って探す派なんですけど、古民家の旅行をしたいなと思っている時にシェアビレッジの考え方を見つけて、面白いなと思って。最初の頃のクラウドファンディングのころから知っていてブックマークしていました。そんなときにこの賞(「広告業界の若手が選ぶ、コミュニケーション大賞」)があったので、ぴったりだ!と思って応募しましたね。